Category: 木を見て森を見ず

  • 木を見て森を見ず(その6)

    この場合の私の選択理由はこうです。   スクンビット沿いでBTS駅前、しかもロータスとビッグCの大型スーパーがどちらも徒歩数分圏で生活至便という希少価値のあるロケーション、ビルのクォリティもオンヌットという土地柄にしては高い、でも1ベッドルームは避けて需要の多い2ベッドルームの高層階をチョイス。(注:図はQハウスのフロアプランですが、最近のプロジェクトはこんなふうに30平米以下の1ベッドルームが一番多く、過剰供給気味なので、同じ物件でもC、Dタイプは敬遠した方が無難です。)   従って、これならロケーション、クォリティ、高稼働の3要件が満たせている、という結論です。機関投資家のように一棟買いするのではないので、キャッシュフローがどうしたの、IRRだの出口のイールドがどうのと、面倒な分析は必要ありません。   尚、予算的にもプロンポンやトンロー(広尾や代官山みたいなスノッブな雰囲気のエリアですかね)の2ベッドルームだと、総額が30百万円前後になってしまい、一般的な個人投資家にとっては金額的にちょっと重いと思うので、オンヌット、プラカノン(こちらは下町っぽくて、門前仲町みたいな感じですかね)エリアで手頃な金額、つまり10百万から20百万円の予算で探す、という前提です。   以前にも書きましたが、平均的収入のタイ人が買える、いわゆるアフォーダブル物件は、大量に供給されていて希少価値があまりないので、外国人が持つには不適当だと思います。従って、私としては、この2年でコンドミニアム全体の価格が上昇したこともあり、現時点でまともな不動産投資をするには、ざっくり言って3百万バーツ(約10百万円)以上の物件をターゲットにした方がいいと思います。   いずれにせよ、オンヌット駅前のQハウス2ベッドルームの選択が正しかったかどうかは、あと5年ぐらい経ってみないと判りません。オンヌットのビッグCは地主から立ち退きを迫られていて、近いうちに閉店するかも、という噂があるようだし、不動産には色々と予期できない変化が起こるので、実際、予想は難しいです。   しかし、少なくとも、何の理論的クライテリアも持たず、不動産マーケットの動向も調べず、単にその物件が気に入ったから、という木を見て森を見ずの投資をするよりは、まず森をしっかり見て納得してから木を切る方が、例え失敗しても後で後悔しないんじゃないですかね。   ถ้าคุณรู้สึกสนุก ช่วยกดนะครับにほんブログ村

  • 木を見て森を見ず(その5)

    ここ3年の間に、BTSのオンヌット駅前に、写真のような4つの高層コンドが立ち並びました。 上からMOVI、プレジデント、VERVE、そしてQハウスの4つです。 ロケーションは、VERVEが駅の真正面なので少しリードしているものの、他はどれも大差ないので、クォリティと価格の勝負です。(ここでいうクォリティとは、建築スペックだけでなく、眺望や間取り、向き、快適性なども含みます)   これについて、ネットでタイ人同士が4つのプロジェクトについて批評していました。Qハウスは価格が高過ぎる、VERVEは築3年でもうどことなく古臭い、プレジデントは全体的に平凡、MOBIは1階にマックス・バリューがあって便利だし、中庭も広く一番コスト・パフォーマンスが高い、という意見が一番多いような印象を受けましたが、タイ人だったらこういうチョイスになるのか、と面白かったです。   私もオンヌットは好きな街なので、5月に現地で全物件チェックして来ましたが、確かにMOBIはコンセプトもクォリティもまあまあだと思いました。ただ、廊下の閉塞感や、エレベーターホールとロビーの共用部がちょっと不満です。   そこで、私なら、迷わずQハウスの2ベッドを選択します。平米単価は12万バーツ前後で、確かにMOBIより1割位高いですが、その位は長い目でみれば、大したことではありません。デザイン・コンセプト、広い開口部、光と風が入る共用部廊下やロビーの開放感、プールやジム、サウナ等の上質な設備、屋上の展望ロビー、使用している建材等、全般的にクォリティが他の3つに比べて明らかに上です。 特に我々外国人の場合は、細かい価格差に惑わされず、ちょっとでもリスクを抑えるために、一番クォリティの高いものを買うべきだと思います。  ถ้าคุณรู้สึกสนุก ช่วยกดนะครับ  にほんブログ村

  • 木を見て森を見ず(その4)

    バンコクの不動産マーケットのことはよく知らないが、この物件は一目見て気に入った、価格も手頃でプールやジムが付いている新築がこんな値段で買える、東京のマンション投資に比べると投資利回りも高いらしい、何より、海外にコンドミニアムを持つなんて自尊心をくすぐる、これからもタイ経済は発展するから買っておいてまず損はないだろう、と宣伝文句に乗せられてサクッと買ってしまいます。   東京の同じような条件の新築マンションに比べたらまだ半値ぐらいですかね。確かに安いです。でも、高利回りというのは入居者が途切れず入ってくれて初めて言えることだし、私の感覚では、まともな投資物件だとそれなりに価格も高いので、せいぜいグロスで5-6%。そんなに高くないです。  駅から遠い物件で、価格が安い以外、他に何の取り柄もないコンドだと、当然、入居者探しに苦労します。空室になったら利回りはガタ落ちです。自分で住むから人には貸さない、というのであれば問題無いですが、それでも将来売る時に苦労することになるし、第一、そんな誰も借りてくれない不便なコンドを持っていても、頭痛の種にはなっても満足感などないと思います。   やはり、価格や利回りをどうのこうの言う前に、みんなが住みたがる、ロケーションがよく、便利でハイグレードの物件を持っていた方が、満足感も持てて、要らぬ心配に心の平安を乱されることもありませんよね。 注:廉価なアフォーダブルのコンドミニアムについて否定的ですが、これは日本人投資家が投資するという前提ですので、誤解しないで下さい。現地のタイ人が自己居住用に買うのであれば、東京で初めてマンションを買う人が埼玉や千葉の郊外のマンションを買うケースが多いのと同じで、別に問題はありません。 ถ้าคุณรู้สึกสนุก ช่วยกดนะครับ にほんブログ村

  • 木を見て森を見ず(その3)

    ところが、日本では利回り偏重が一人歩きを始めたせいか、写真のような地方都市の利回り15%とか20%の廉価な古いマンションを好んで買っている個人投資家を見かけます。   私から見れば、費やす時間とリスクを考えた場合、投資効率が悪過ぎるし、わざわざ自分から頭痛の種と苦労を背負い込んでいるように見えるのですが、ただ、こういう物件の中には、新築にはない掘り出し物があるのも事実です。 投資家にも色々なタイプがいて、ちゃんと物件を見極める知識と経験がある人で、時間はたくさんあるから手間暇をかけてでも、こういう高利回り物件にチャレンジしたいという人もいるのでしょうから、そういう投資家を否定するわけでは全くありません。   しかし、海外不動産の場合、ちょっと話が違います。物件が海外にあるだけに、自分ではほとんど何もできないし、何かあっても身動きが取れない、ということです。  バンコクでは、既にオーバーサプライの問題が言われるようになってきているのに、そういうことを調べようともせず、今でも、買えばどれでも値上りすると勘違いしているケースがあるように見えます。 ถ้าคุณรู้สึกสนุก ช่วยกดนะครับ にほんブログ村

  • 木を見て森を見ず(その2)

    不動産投資をする場合の基準として、もちろん利回り確保は大事です。銀行から融資を受けても、せめて金利分位は余裕を持って払えるぐらいないと、キャッシュフローに支障が出ますからね。   でも、もっと重要なのは、やはり、ロケーションとビルのクォリティなのです。そして、その2つが揃えば、家賃設定さえ間違えなければ、自ずと高稼働を維持できます。   不動産の最大の弱点は何だと思いますか?   ほとんどの人は、不動産は換金性、つまり流動性が悪く売却に時間がかかるということは知っています。しかし、実はこれが不動産投資の恐さでもあるのです。   この流動性の良し悪しに直結するのが、ロケーションとクォリティです。   例えば、渋谷駅前で築1年の満室稼働中ハイスペック・オフィスビルが売りに出たとしたら、あっという間に市場から消えてしまいます。流動性はすごく高いわけです。   一方で、ロケーションもクォリティも悪く、ほとんど改善の余地がない不動産を持ってしまったらどうなると思いますか?   当初はまだ80%ぐらいの稼働率はあるかも知れませんが、その見極めを誤って、もしこんな見込みのない不動産を買ってしまったら、築年数が経つに従って、稼働率が下がり始めます。どんなにリノベーションしたり、賃料減額をしてもテナントの流出を止められないのです。   私も何十本というビルの運用をやってきたので、こういう物件にあたったことがあります。オフィスビルやマンションは賃料をかなり下げれば何とかなる場合が多いですが、ショッピングセンターやホテルの場合、どんなに腕のいいアセット・マネージャーでも、手も足も出ません。   そうは言っても、一本何十億円もする不動産を扱っているわけですから、膨大な時間とエネルギーを費やして何とかリカバリーを試みるのですが、結局失敗します。   これが流動性のない不動産を掴んでしまった時の恐さです。さんざん振り回された挙句、大幅な損切り処分で終わりです。もし、これが我々のような個人投資家が、やっと貯めた資金で買った物件だったら、悔やみ切れないですよね。   そう言った意味で、かつて私が勤めていた会社の重役が言っていた、不動産は数字じゃない、利回りや投資リターンのことよりも、ロケーション、クォリティ、高稼動の3拍子揃った流動性のある物件を持て、というのは正論なのです。   ถ้าคุณรู้สึกสนุก ช่วยกดนะครับ  にほんブログ村

  • 木を見て森を見ず(その1)

    日本の個人の不動産投資家が、やたらと利回りを重視するようになったのは、いつ頃からですかね?   多分、バブル崩壊後の90年代半ば頃だったのかなと思います。   ただ値上りするからとういう理由で、際限なく買い続けていったマンションやアパートが、バブルの崩壊とともに半値や3分の1に暴落したのを見て、以前は行け行けドンドンだった不動産評論家等が、今度は手のひらを返したように、利回りを投資判断の基準にしていた投資家なら、マンションの投資利回りが2%台なんておかしいと判ったはず、アメリカでは不動産投資の判断基準は投資利回りにある、みたいなことを言い出したのが90年代に入ってからだったような気がします。   バブルの最中だった80年代後半、私は日本の不動産デベの海外事業部で海外不動産投資をやっていました。新しい投資案件を役員会に上げるたびに、キャッシュフローがどうで利回りがどうなる、LTVがXX%だからデットサービスカバレッジレシオはこうなるとか、IRRやNPV、DCFがどうしただのと数字の話ばかりしていると、国内担当の重役達から、不動産は数字でやるもんじゃない、と煙たがられたこともしばしばでした。   当時は、土地代が1種いくらで、建築費が坪当たりいくらで総開発費がいくら、これに対し、周辺の賃料相場が坪単価いくらだから、ここにこのグレードのビルを建てたら賃料は坪いくら取れる。それで銀行からの借入金の金利が十分返せてセルフ・ファイナンシングだから大丈夫、という具合で、出口については、ロケーションがよく、100%稼動で築浅高グレード物件と3拍子揃っていれば、いつでも生保等の機関投資家に売ってキャピタルゲインを出せるから問題ない、というものでした。   つまり、重要度から言えば、まずロケーション、そしてビルのクォリティ、高稼働(確実な賃料収入)、テナントの質という順番で、詳細な出口戦略に至っては、物件に魅力さえあればいつでも売れるから特に必要ない、というものでした。   これが、バブル崩壊後、個人投資家の間で、こんなことをやってたからバブル崩壊でえらい目に会った、これからは利回りが最優先、みたいな傾向が出てきて、それが今も一人歩きしているような気がします。   でもこれって、本当は危険なのではないかと思います。  ถ้าคุณรู้สึกสนุก ช่วยกดนะครับ にほんブログ村