米国公定歩合引き上げ
米国公定歩合引き上げ
2010年2月21日 16:34
2010年2月18日にFRB(連邦準備理事会)は、
1.2月19日から公定歩合を0.5%から0.75%に引き上げること、
2.公定歩合を用いた窓口貸出の期間を最大28日間から翌日物に短縮すること(3月18日実施)、
を発表しました。
通常、米国の銀行は短期資金をFFレートを通じ銀行間で調達しています。そして連銀の公定歩合による窓口貸出は、FF市場での資金調達が困難となったときに緊急避難的に利用されます。サブプライム問題を発端とした金融不安が顕在化してから、金融機関の信用不安が増大し、銀行はFF市場での短期資金の調達が困難となりました。そこで、2007年8月に、FRBはFFレートに先行して公定歩合を引き下げ、また公定歩合による貸出期間を長期化することで、銀行に対し窓口貸出の利用を促し「最後の貸し手」として流動性を供給してきました。こうした策が奏功し、連銀窓口貸出による残高も増加、米国銀行の資金繰り改善に一定の効果を発揮してきました。
しかし、2009年半ば以降、金融市場の混乱が収束したことで、銀行間の短期の資金融通は円滑化され、窓口貸出の役割は低下が続いてきました。
FRBは、窓口貸出をさらに縮小させることで、民間銀行のみで短期金融市場を成立させることを狙っていると見られ、公定歩合はさらなる引き上げが見込まれ、FFレートと公定歩合のスプレッドは拡大することが予想されます。
金融市場では、公定歩合引き上げを受けFFレートの早期利上げ懸念が台頭し、為替は米ドル高、米株価は下落(現物株引け後の発表のため先物に基づく)で反応しています。
ただし、公定歩合の引き上げは、緊急避難的に導入された金融危機対応策の解除の一環にすぎないと見られ、FFレートの早期利上げに繋がる公算は低いと考えられます。先のFOMC(連邦公開市場委員会)の声明文でも
半年程度は現行のFFレートを維持する姿勢が示されていること、
米景気の安定回復の確認にもう少し時間を要すること、
などから、FFレートの利上げは早くても今年秋口以降、今後の景気動向次第では年内先送りの公算も否定できないと思っております。
