海外マクロ・コメント
海外マクロ・コメント
2009年11月25日 22:26
○本日は主要な材料が目白押し
本日の米国市場では主要な材料が目白押しとなっている。まず、7-9月期実質GDPの改定値は、9月分の貿易収支や商工業在庫統計が速報段階のBEA(米商務省経済分析局)の想定を大きく下回っていたことに加えて10月小売売上高での8〜9月分の下方修正を受けて、速報の前期比年率+3.5%から同+2.5%へと下方修正される公算が大きい。その場合、7-9月期の成長率は潜在成長率(6月段階のFOMCの想定に基づけば+2.5〜2.7%)のレンジ下限程度に過ぎず、GDPギャップのマイナス幅を目だって縮小させるには至っていなかったことになる。また、9月S&P/ケース・シラー住宅価格指数は春から夏にかけての季節的な押し上げ効果が剥落することから、5ヵ月ぶりに前月比で低下に転じる公算が大きい(FHFA住宅価格指数はすでに8月時点で前月比-0.3%と低下に転じていた。ケース・シラー住宅価格指数は3ヵ月移動平均ベースの指数のため、トレンドの変化が遅れて現われる傾向がある)。年末商戦の初日とされる感謝祭翌日の「ブラック・フライデー」を控えて、11月消費者信頼感指数も注目されよう。さらに、足元でFOMCメンバーのハト派的な発言が相次ぐなか、FRBの公式見解を探る上では11月3〜4日分のFOMC議事録も重要である。
○2年債入札はまずまずの内容
2年債入札は、応札倍率が3.16倍で前回(3.63倍)から低下したものの今年これまでの平均の2.92倍を上回り、落札利回りも0.802%で直前のWI(発行日取引)の0.801%とほぼ同程度にとどまるなど、まずまずの需要を集めた。間接入札者の落札比率も10月と同じ44.5%で、今年これまでの平均の44.0%にほぼ沿った水準となった。なお、前回の2年債入札では直接入札者の落札比率が26.1%に急上昇していたが、今回は4.7%と通常の比率に戻り、その代わりにプライマリー・ディーラーの落札比率が前回の29.4%から50.8%まで上昇した.
本日は5年債入札、明日は7年債入札が実施される。2年債の入札額は440億ドルと前月と同じだったが、5年債は420億ドル、7年債は320億ドルと前月からともに10億ドル増額され、過去最大規模の発行となっている。最近の国債入札では初日の短期ゾーンが好調な一方で中長期ゾーンが不調になるパターンが顕著なこと、10月末まで実施されていたFRBの国債買い取り策では7年ゾーンが最も下支えされていたこと、オバマ大統領が(現在の米国債の最大の買い手である)中国を訪問した翌週の入札であることなどから、米国債市場では本日と明日の入札結果で堅調な需要が確認されるかどうかが焦点となろう。
○10月中古住宅販売は予想どおりの増加
10月中古住宅販売は前月比+10.1%の年率610.0万戸と9月の同+8.8%に続き急増した。これは契約成立段階で計上される先行指標のPHSI(中古住宅販売7.6ヵ月、10月の成約指数)から予想されていたとおりであり,当初は11月末に予定されていた住宅減税の期限切れを前にした駆け込み需要を反映したものと考えられる。住宅減税は最終的に来年4月末まで延長されることが議会で決定されたが、MBA(モーゲージ銀行協会)の週次統計の住宅購入目的のモーゲージ申請指数が減少を続けていることからみて、当面は駆け込み需要の反動が現われると予想される.
ただ、住宅販売の急増で住宅在庫の圧縮が進んだことは明るい点と言えよう。特に一世帯中古住宅の在庫/販売月数は8月の9.0ヵ月から9月の6.8ヵ月へと急低下している。在庫/販売月数は販売の急増で押し下げられた面もあるが、一世帯中古住宅在庫自体も前年比で10%以上の減少を続けている.今後も労働市場の回復の遅れや差し押さえ物件の処分が住宅市場の重石となる可能性はあるが、在庫サイクルの面からみて中古住宅市場がすでに最悪期を脱していることは確かだと考えられる。
○年末商戦に対して悲観的なサーベイ結果
感謝祭を間近に控えて、23日には年末商戦に関する2つの民間サーベイが発表された。まず、コンファレンス・ボードが5000世帯を対象とした調査によれば、今年のホリデー・シーズンに購入を予定している贈り物の金額は平均で390ドルと昨年の418ドルを下回るとの結果が出た。コンファレンス・ボードは、消費者が慎重な理由として失業と先行き不透明感を指摘している。また、CFA(米消費者連盟)とCUNA(全米信用組合)が11月6〜9日に1000名を対象とした調査では、ホリデー・シーズンの支出を昨年に比べて削減しようとしている消費者の割合は43%に達したと報告された。これは昨年の55%からは低下しているが、2000〜07年のレンジ(21〜35%)を依然として遥かに上回っている。このサーベイでも、消費者が支出を減らす理由としては経済への懸念が最も多く、特に失業や労働時間・賃金のカットの見通しが挙げられていたという。今年の年末商戦の数字は対前年比では昨年の非常に低い水準からの比較となるためプラスに転じる公算が大きいものの、小売店の積極的な値引きがどの程度まで消費者を引き付けることができるかがポイントとなろう。
