海外マクロ・コメント
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2009年9月 4日 13:00
○ISM非製造業指数は循環的な回復を示唆
8月ISM非製造業指数は前月比+2.0ptの48.4と2008年9月以来の高水準となったが、(8月ISM製造業指数が52.9まで改善したのと異なり)12ヵ月連続で拡大・縮小の分岐点である50を下回った。ただ、従来はヘッドラインの数字とされていた「事業活動指数」は同+5.2ptの51.3と2008年9月以来初めて50を上回っている(現在のヘッドラインのISM非製造業指数は事業活動指数、受注指数、雇用指数、入荷遅延指数の4項目の単純平均)。ISM非製造業サーベイは1997年7月から開始された比較的新しい統計であり、1度の景気後退局面(2001年3月〜11月)しかカバーしていないが、前回の景気後退の最後の月である2001年11月のISM非製造業指数は48.2、事業活動指数は49.4となお50を下回っていた。今回の数字は米国経済が循環的な回復を続けているという見方に沿ったものと言えよう。
図表1:ISM非製造業サーベイ
ただ、雇用指数については前月比+2.0ptの43.5と回復したものの、7月の低下分(同-1.9pt)を相殺するにとどまった。このため、本日の8月雇用統計では非製造業の雇用者数の減少ペースが大幅に鈍化することは見込み難い。当社は引き続き全体の非農業部門雇用者数が前月比-20.0万人と7月の同-24.7万人から減少幅が緩やかに縮小すると予想している。
図表2:ISM非製造業雇用指数と民間非製造業雇用者数
○ECBは実質GDP成長率見通しを上方修正
トリシェECB総裁は9月3日の理事会後の記者会見で「ユーロ圏および他の地域で経済活動が安定化している兆候が増えている」とした上で、「経済活動の顕著な縮小は終わりを迎え、安定化の時期と非常に緩やかな回復が続くだろう」との見通しを示した。「2009年7-9月期のサーベイ指標はユーロ圏経済が一段と安定化しつつあるという見方を裏付けている」といった表現からみて、ECBはユーロ圏の実質GDPが4-6月期の前期比-0.1%から7-9月期には同横ばいになると想定しているとみられる。
実際、ECBスタッフの公式経済予測でも2009年の実質GDP成長率見通し(中央値)は-4.1%と前回(6月)の-4.6%から-4.1%へ上方修正され、2010年についても-0.3%から+0.2%へと引き上げられている。また、同じく3日にOECDはユーロ圏の2009年の実質GDP成長率見通しを-4.8%から-3.9%へと0.9pp引き上げた。これまでユーロ圏では景気の悪化が予想以上に進展する状況が続いていたが、最近のPMIやIfoサーベイの大幅な改善からみて、ようやく最悪期を脱しつつあると判断される。
ただし、トリシェ総裁は先行きについてはなお慎重な姿勢を維持している。質疑応答では(8月22日のジャクソン・ホールのコンファレンスでの発言と同様な表現を用いて)「先行きはどちらかと言えば凸凹道(more of a bumpy road ahead)」と述べ、出口戦略に関する質問に対しても「私に言えるのは本日が退却の時ではないということだけだ」と答えたのみだった。当社はECBが2010年中に非標準的措置の解除を段階的に開始すると予想しているものの、政策金利の引き上げについては2011年末辺りまでは視野に入らないと考えている。
情報提供:バークレーズキャピタル証券株式会社
