円高の終焉

円高の終焉

2009年2月24日 10:20

此処のところ、株価と為替の連動性が薄れてきており、特に節分以降それがはっきりとしてきました。法案成立後の米国の株価は、ずるずると下げ続け、一方円はほぼ全通貨比じわじわと弱くなってきています。

ITバブル崩壊後、米国の株価は底打ちまで約3年間かかりました。日経平均に至っては、1990年大発会以降、最終的には二度とその水準を見ることなく、安値更新を続けそうな状況です。

先進国の株価は、「戻り」はあっても「上り」はしないという懸念が、益々現実味を帯びてきています。

長期で見れば、株価の右肩上がりのトレンドが続くという前提で行われている投資は、今後大幅な戦略修正を余儀なくされるかもしれません。右肩上がりのトレンドの可能性が残されているのは、新興国だけなのではないでしょうか?時間をかけて、新興国のデカップリング論が復活してくるものと思います。

余談になってしまいましたが、NYの金が約1年ぶりに1000ドル台を回復しました。一方、世界的にはドル高が続いています。ここでも「逆相関」といわれるものが、従来の常識とは違う動きを示しているのです。

円は、対ドルで今月初旬に直近の高値87円10銭近辺をつけた後、幾多のドル売り材料をこなしながら約8円の円安、94円台で推移しています。ユーロや豪ドルに対しても、じりじりと円安傾向になっています。

再三ブログや講演会で申し上げているように、最近の円高因は

-逃避資金

-投機資金

-待機資金

の3つが要因でした。

致命傷で、円高トレンド終焉の引き金になったのは、先進国内最低のGDPと先週の財務大臣辞任劇

では無いかと思います。

日本に逃避していて良いのか?消去法的に流れていた円買いニーズは、これで一気に冷やされてしまいました。後は、決算を控えて動意が薄い機関投資家や、新年度入り後の実需動向ですが、3つの内の2要因が剥げ落ちかかっている今、残り一つが与えるインパクトは軽微です。

昨年来主張しているように、今世の中はドル高です。ドルの里帰りが続いているからです。この底流にある需給要因に、数々の材料が反応しあっていろんな思惑を生み、一つの相場を形成していきます。川の流れは、よほど大規模な工事をしないかぎり、そう簡単に変えられません。1990年から1995年にかけて日本で起きた超円高も、円の里帰りという大きな需給が根底にありました。

2007年夏米国発で起きている現象は、1990年以降日本がたどった道程を彷彿とさせます。

ただ明らかに違うのは、オバマ政権は就任28日で景気対策法案を可決し、いつでも実弾が出せる体制を整え、その後も矢継ぎ早の対応を最優先で実行している点です。このことは、資金の流れを考える上で重要です。どこかの国を反面教師として、着実に歴史から学んでいるのです。

巷ではドルの崩壊が叫ばれています。私も、長期的にはあると思います。当然相対的価値の低下は避けられないでしょう。しかし、物事には順番があり、今すぐドルが崩れるわけではないのです。

ドル高の大きな流れに逆らってせき止められていた円高は、ダムの役割を果たしていた3つの要因が崩れ去ろうとしている今、一気に堰を切って、もとの流れに飲み込まれていく、そんな気がします。

金が買われているのは、ある意味円に対しても市場がNOを突きつけた証かもしれません。

年末のドル円相場が楽しみです。

 

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