アジアニュース

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2008年10月29日 16:24

●中国ーー外資の国内投資の減速を懸念、世界金融危機で

世界金融危機の余波を受け、外資系企業の国内投資や進出が今後大幅に減速するとの見方が強まっている。牽引役だった外資の勢いが弱まれば、国内経済全体の減速も招きかねないとして、硬直化した労働契約法を調整することや金融業のより一層の開放を求める声も挙がっている。

製造業で外資導入の減速が顕著になっている。商務部によると、今年1〜9月の上海市の製造業で、外資系企業との契約額は昨年同期比21%減となった。全契約額に占める外資系企業の割合は約20%で、例年より十数ポイント減少した。税理士法人大手の米プライス・ウォーターハウス・クーパース(PWC)上海公司は「外資顧客は(世界金融危機を受けて)自信を失っており、国内での新規投資にも慎重な姿勢に変わった」という。全国各地でも同様の状況が続く。1〜9月に山東省で批准された外資による投資プロジェクト案件は45%減、実行された投資案件は31.2%減となった。同省外経貿庁は「太陽光発電など環境関連や養豚など農業への投資は堅調さを保っているが、総体的に外資は減少傾向となっている」と懸念を示す。近年の労働力や土地代などのコスト上昇が、外資に追い打ちをかけているとする見方は多い。全国工商業聯合会は「企業所得税の内外統一や新労働契約法の施行、輸出還付率の引き下げなどによるコスト上昇で厳しさを増していた中、今度の世界金融危機下ではさらに外資は行動を控える可能性がある。今後2〜3年かそれ以上の長期にわたって厳しい外資不足に見舞われるだろう」と予測している。

PWC上海公司は「中国は外資を必要としない発展段階にはまだ至っていない」として、今後の新たな外資対策として硬直的な労働契約法を調整して労働コストを削減することや金融業のさらに踏み込んだ開放により、外資にも潤沢な資金供給が行われるようにすべきだと訴えている

 

●韓国銀、政策金利4.25%に電撃利下げ

韓国銀行は27日、緊急の金融通貨委員会を開催し、政策金利を0.75ポイント引き下げた年率4.25%とすることを決めた。下げ幅としては過去最大。韓国銀は今月9日、同金利を5.25%から5.00%に引き下げたばかりで、今月だけで1ポイントの利下げとなった。金融危機の影響による国内景気の後退に対処するのが狙い。これを受けた政府も近く、追加対策を発表する予定だ。

今回の緊急利下げにより、家計や中小企業の利子負担が軽減することが見込まれ、流動性不足が解消すると期待される。韓国銀の李成太総裁は「経済活動が鈍化しており、雇用も急激に減少しているため、当行が積極的に動く必要があると判断した」と述べており、国内景気の委縮と経済成長率の急落を防止できると見込んでいる。同委員会の臨時開催により金利引き下げを決めるのは、2001年9月の米同時テロ後以来。追加利下げについて李総裁は、「内需が急速に後退しているうえ、輸出が堅調を維持すると判断するのは難しい」と述べ、金融市場の不安を考慮して、さらなる利下げの可能性があることを示唆した。同委員会はまた、買戻し条件付債券(RP)方式で銀行債と一部特殊債を買い入れることを決定した。規模は5兆〜10兆ウォン(約3,200億〜6,400億円)の予定。銀行などの資金難を軽減させ、市中金利を下げるための措置とみられる。 9月の米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破たん以降、債券市場は凍結し、銀行債の金利が上昇している。これにより、譲渡性預金証書(CD)金利が上昇したことで、連動する市中銀行(都市銀行に相当)の住宅担保融資金利や中小企業融資金利も相次ぎ上昇。家計や企業に大きな負担がのしかかっている。このほか、輸出企業が為替差損の発生を防ぐためのデリバティブ商品「KIKO」などの通貨オプション商品に加入した場合について、その決済資金に限り外貨融資を許可することを決めた。これにより、ウォン安・米ドル高による為替差損を免れることができる。また、経営資金の外貨融資満期について、1年間延長できるよう許可した。

■株価はいったん上昇

金融機関による流動性供給に消極的だった韓国銀が、その改善に乗り出したことは、投資家の不安心理を上向かせ、株の暴落を防ぎ、ウォン安・米ドル高の食い止めにもつながるという見方もある。

27日の総合株価指数は、前週末終値比7.70ポイント(0.82%)上昇の946.45ポイントで取引を終えた。一方、ウォンの対米ドルレートは前週末比18.50ウォン安の1米ドル当たり1,442.5ウォンで取り引きを終えた。5日間(取引日基準)で127.5ウォンものウォン安が進み、1998年5月19日以来のウォン安となった。大幅な利下げにもかかわらず、金融市場のパニックは多少沈静化しただけで大きく改善はしていない。外部環境がさらに悪化する可能性もあるため、金融市場の不安はしばらく続く見通しだ。政府はソウル首都圏での規制緩和や証券取引税の引き下げなどを含んだ実体経済総合対策を近く発表する予定で、金融市場が好転するかどうかは、しばらく見守る必要がありそうだ。聯合ニュースなどが伝えた。

 

●韓国  通貨危機再来はなし?「97年より経済状況改善」

通貨危機の再来への懸念が高まる中、李明博大統領は27日の国会での施政方針演説で「今回の危機を10年前の通貨危機と比べている人も多いが、現在の韓国に通貨危機はない」と強調した。経済各紙も10年前のファンダメンタルズと比べ「危機はない」と主張している。

27日付毎日経済新聞は「韓国経済がまたもや危機?NO!」の記事で、外貨準備高の高さや主要企業の負債比率が10年前に比べ下落したことなどを挙げて、通貨危機の再来を否定している。

■外貨保有高の9割は優良債

通貨危機を否定する最も大きな要因は、世界6番目に高い外貨保有高だ。9月末時点の外貨保有高は2,397億米ドル。李大統領も演説で「外国為替市場におけるウォンの流動性を確保するには、現在保有している外貨で十分にカバーできる」とした。外貨準備高の内訳を見ると、来年6月末までに銀行が返済しなければならない対外債務は720億米ドルで、すべてを返済したとしても1,600億米ドル以上残る。企画財政部は、外貨準備高の90.6%に当たる2,172億米ドルは信用等級の高いAA以上の高格付けの債権に投資しており、残りの大部分も預金されている状態にあることから「全額がいつでも使用可能な状態にある」として、外貨準備高の流動性が高いことを説明している。

また、97年の通貨危機当時の外貨準備高には、すぐに使用できない外貨資産が含まれていたとの指摘を受け、国策研究所の関係者は「今は使用できる準備高のみのため、安定した状況」としている。

■企業の経営も改善

企業の経営状況が大きく改善されたことも理由の一つ。韓国銀行によると、主な輸出産業(上位6業種)の負債比率は97年に比べ、195〜605ポイントと大きく下落した。97年は717.1%に上った自動車業界も2007年は112.2%と大きく改善している。経営改善により、内部留保率も97年の9.5〜165.9%から07年は193.0〜752.1%に上昇。1年以内に現金化できる流動資産も16兆8,210億ウォンから30兆3,650億ウォンに約1.8倍増加した。

■企業の8割、「97年と同様」

ただ、大韓商工会議所が国内企業約300社を対象に現在の経営状況を調査した結果、42.5%が「(97年の)通貨危機と同様に厳しい」、36.4%が「より厳しい」と答えており、経営条件の厳しさを示している。理由には、「景気停滞の長期化」(54.2%)、「流動性の悪化など資金調達に支障」(20.4%)などが挙がった。

 

●マレーシア  政策金利据置き、インフレ懸念低下受け

マレーシア中央銀行は24日、公定歩合に当たるオーバーナイト政策金利(OPR)の据え置きを決めた。この結果、2006年4月以降続く3.5%を維持する。

世界的な経済成長減速への警戒感に加えて、国内のインフレ懸念低下が背景にあるとみられる。とりわけ石油燃料と食品の価格はさらなる下げが予想されている。ただ市場にとって、今回の中銀の決定は織り込み済みだったようだ。東南アジア諸国連合(ASEAN)主要加盟国は今月の政策金利決定会合で、インドネシアが0.25ポイント引き上げ9.5%に、タイとフィリピンがそれぞれ3.75%と8.0%の据え置きに動いていた。

 

●シンガポール  住宅とオフィス、いよいよ賃料下落

民間不動産市場で、オフィスや住宅の賃料が下落し始めている。都市再開発庁(URA)が24日に発表した7〜9月期の不動産統計で明らかになったもので、販売価格も弱含んでいる。一方、公営住宅(HDBフラット)の価格は引き続き強含んでいる。

URAの不動産統計によると、7〜9月期の民間住宅の賃料指数は161.0で前期比0.9%低下した。同2.5%高だった4〜6月期から一転して前期割れに転じた。

デタッチ(独立家屋)を除く全タイプが下落している。在住日本人の利用が多いコンドミニアム(分譲マンション)は0.7〜2.7%安で、2005年以来で初のマイナス成長を記録した。最も下がったのは郊外(OCR)で2.7%安。繁華街オーチャードをはじめとする9〜11区など都心部(CCR)は0.7%安、CCRを除く中心部(RCR)は0.5%安だった。

商業施設の賃料指数も落ちている。オフィスは198.2で0.8%安となり、4年ぶりの前期実績割れ。7〜9月期に入居し始めた物件の場合、賃料の中心値は都心部が1平方フィート(0.09平方メートル)13.57Sドルで前期比0.13Sドル安、都心部以外は6.43Sドルで0.05Sドル安だった。空室率は0.8ポイント上昇し3.4%となり、1年ぶりに2%台を超えた。

店舗の賃料指数は123.0で0.6%下落した。賃料はオーチャードが0.01Sドル安の10.99Sドルなどとなった。空室率は前期比横ばいの3.3%となっている。

■販売価格2.4%安

販売価格も低くなっている。住宅の販売価格指数は173.3で2.4%安だった。目立ったのはコンドミニアムなど土地なし住宅で2.5%安の176.7。特にコンドミニアムは、2.6%安と全タイプの中で落ち込み幅が最大だった。地域別の土地なし住宅価格は、CCRが2.7%安、RCRが2.4%安、OCRが1.5%安。

■HDBは需要増加

冷え込む民間不動産市場を尻目に、公営住宅市場は活況を呈している。住宅開発庁(HDB)によれば、7〜9月期の転売価格指数(RPI)は137.5となり前期比4.2%高。8四半期連続で前期実績を上回った。取引が増加基調をたどっており、需給バランスが逼迫(ひっぱく)していることに起因しているとみられる。直近では、今年1〜3月期の6,358戸を底に、4〜6月期に7,763戸となり、7〜9月期には8,112戸まで拡大している。

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