アジアニュース
アジアニュース
2008年10月22日 23:16
●タイ 財務相と中銀総裁、金融政策めぐり対立
スチャート財務相とタリサ・タイ中央銀行総裁が金融政策をめぐり対立している。財務相は景気刺激のため通貨切り下げなどを主張したが、中銀総裁は現状の政策が適切だと反論した。財務相は以前にも、政策金利引き下げを主張して中銀と対立したことがあり、今後も確執が予想される。21日付各紙によると、スチャート財務相は20日、金融問題の会議で講演し、タイも米国発金融危機の影響を受ける見込みであり、景気減速を防止するための金融政策が必要だと主張した。政策の内容は◇輸出増のため対米ドル・バーツ相場を実勢相場から5%切り下げる◇3年間、銀行預金を全額保護する◇中小企業向け融資を強化するため商業銀行に増資させる◇銀行間取引市場で小規模銀行向け融資を保証する◇商銀の国際会計基準(IAS)39号の準拠期限を延期する──。タリサ総裁は同日、記者会見し、財務相の意見に反対する考えを明らかにした。バーツ切り下げについては、為替相場を基本的に市場原理に委ねる現行の政策を完全に転換することになる上、経済がグローバル化した現在、為替操作は非常に困難だと反対する理由を説明した。中銀は現在、相場急変動の場合のみ市場介入している。輸出増を図るならば、為替操作ではなく、コスト削減などで競争力を高めるほか、新興市場を開拓するべきと主張した。IASについては、すでに準備が進んでおり、準拠により国内銀行に対する信頼性が高まるとして、予定通り実施する考えだ。準拠期限は来年末で、融資額と債務者のキャッシュフローの差額に対して100%の引き当てが求められるなど不良債権対策が強化される。
■預金保護も変更なし
金融危機の影響が懸念される中、近隣国ではシンガポールとマレーシアが預金全額保護の方針を打ち出したが、タイは現行策を変更しない見通しだ。8月11日に発効した預金保護機構(DPA)法で、保護上限は現在の全額から段階的に引き下げられる。法発効後1年間は全額、2年目は1億バーツ、3年目が5,000万バーツ、4年目が1,000万バーツ、5年目から100万バーツになる。
スチャート財務相はサマック前政権で副財務相だった時にも、景気刺激のための利下げを主張し、インフレ抑制を優先する中銀と対立したことがある。
●香港 − 中信泰富が巨額損失、外為で最高155億ドル
中国政府系コングロマリット、中信泰富(CITICパシフィック)は20日、レバレッジを効かせた外為取引で、最高155億HKドル(約2,039億円)の損失を当期決算で計上する可能性があると発表した。9月以降の豪ドルとユーロ相場の不安定化によるもの。発表を受け、21日の香港取引所(HKEX)での同社株の取引価格は寄り付きから大幅下落し、前営業日比55.10%安の6.52HKドルで引けた。21日付香港各紙によると、同社の栄智健(ラリー・ユン)会長は、これにより2008年12月期通期決算で、同社は赤字転落すると述べた。また、取締役会に無断でこの外為取引を行った責任を取り、張立憲(レスリー・チャン)財務担当取締役ら2人が20日付で辞任した。発表によると、同社は西オーストラリア州での鉄鉱石採掘事業にからみ、豪ドル、ユーロ建て双方でノックアウト契約のオプション付き外為取引を履行。9月以降の両通貨の相場不安定化で巨額の損失が発生する可能性が高まったとしている。
■CITIC本体、財務支援へ
為替変動に伴う同社の急速な財務悪化に対し、29%出資する本体の中信集団(CITICグループ)は15億米ドルの支援融資を行う準備があると表明。流動資金の確保を急ぐ構えだ。
中信泰富は、製鋼や航空、発電などインフラや運輸を中心に多岐にわたる投資や運用で安定的な利益を上げていた。香港取引所で扱われるブルーチップ銘柄の一つで、07年12月期通期は108億4,300万HKドルの純利益を計上。ロイター電によると、発表前の市場予想では当期も純利益が58億HKドルに上るとみられていた。
中国系企業はこれまでのところ、米国発の金融危機の影響が小さいとされていたが、海外での大規模投資を行う企業では、為替変動などにより、巨額の損失を被る可能性が示された格好だ。
●タイ − 大手商銀2行、リーマン破たんで減益
