アジアニュース
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2008年10月14日 23:09
●対ドルでリンギ安進行も、米利下げで
対米ドルでリンギ安が今後しばらくは続くとの見方を、為替ディラーが示している。ニュー・ストレーツ・タイムズによれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が近く、さらなる金利引き下げに踏み切ると考えられることから、1米ドル=3.52〜3.54リンギに値を下げるとみているようだ。ただ市場関係者は、マレーシア中央銀行が過度のリンギ安を阻止する目的で市場介入を行うとの予想に基づき、リンギ安の進行が市場に与える損失は小さいとの見方を示している。 10日の為替市場では3.5115〜3.5145リンギで取引され、1週間前の3.4660〜3.4710リンギからリンギ安が進行。対円でも円高リンギ安に動いた。一方、対シンガポールドル、対ユーロ、対英国ポンドで見ると、リンギは1週間前に比べ高値に推移している。
●ウォンの海外流出急増、ウォン安で
ウォン安が続く中、ウォンの海外流出が増えている。外換銀行からは先月、前月比91.5%増の157億ウォンが流出。月間ベースでは過去最大規模となった。ウリ銀行は、24億6,000万ウォンと40.6%増えた。ウォンの海外流出が増えている背景には、ウォン安により外国で現地通貨をウォンに両替した際に受け取る額が増えたため、国内銀行が海外の支店を通じて海外の金融機関にウォンの売却を続けていることがある。ウォンの対米ドルレートは、8月末の1,089ウォンから先月末には1,207ウォンまで急落。対円レートも8月末の998.40ウォンから先月末には1,157.02まで落ち込んだ。また、外換銀の関係者は、「秋月(旧盆)連休前後に韓国を訪れる在日韓国人や日本人観光客が増加し、円との両替が増えたことも一因」と話している。
●香港 政府、金融安定化に外為基金注入も
香港政府の唐英年(ヘンリー・タン)政務長官は12日、世界的な金融不安と信用収縮の高まりを受け、当局が必要と判断した場合、域内の銀行救済に向け公的資金を注入する可能性を示唆した。外為基金の一部を取り崩し、注入資金に充当。金融システムの安定化と、金融不況から派生する企業倒産や雇用縮小の未然防止を目指す。
唐長官は、香港の金融システムは小型で開放的であるとした上で「(金融危機の影響は)マイナスに働く」と述べた。財源となる外為基金は6月末現在で1兆4,092億HKドル(約17兆8,500億円)に上っている。ただし、別の政府高官は「現時点で香港の銀行は、英国ほどの危機に陥っていない」と指摘。銀行の株式取得など実質的な資本注入を行う段階ではないとの認識を示した。英政府は今月に入り、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)やバークレイズ銀行など主要行に対し公的資金による支援を行う方針を示している。
■「金融恐慌、前触れ」=財政長官
政府は、現時点での政策的な銀行支援は必要ないとしているが、資金注入が現実化した場合、決定権者となる曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官は「現在は金融恐慌の前触れの段階」と述べ、今後も危機感をもって市場を注視する考えを強調している。香港の金融市況は、株式市況の目安となるハンセン指数が過去52週で、ピーク時から目先の水準まで約54%下落。同日付各紙によると、特に不動産に関しては1997〜98年のアジア通貨危機の際には60%もの暴落を記録したことがあり、今後も底割れの危険があるという。このほか専門家の意見を総合すると◇流動性低下による中小企業での資金ショート◇サブプライム債券を含む資産の不良化による銀行の経営危機◇金融セクターでの業務縮小、撤退に伴う雇用情勢の悪化――が今後の懸念材料として上げられる。
■株式は市場原理で
こうしたことから、会計や金融業界からは政府の支援を歓迎する声が出始めている。UBSは「既に香港でも信用縮小は始まっており政府の適切な対応は金融機関への信用回復につながる」とコメント。陳茂波・立法会議員(会計界選出)は「非常事態には非常手段を取る必要がある」と政府の支援を支持する考えを示した。政府金融サービス・財務局の粱鳳儀(ジュリア・リョン)副局長によると、外貨準備基金の為替安定化以外への拠出は、外貨基金条例の定めで財政長官の専権事項となっている。また、一部政党からは、公金の民間部門への注入に慎重論も出ているが、法制上は政府部門の判断だけで、銀行や預金者救済も可能。域内での金融不安が今後増大した場合には一定程度の公的支援が実行される可能性がある。ただし、政府は株式市況に関しては「市場原理を優先する」として介入しない方針という。
●中国 「中小企業は資金難」92%、社会科学院調査
中国社会科学院中小企業研究中心と、英スタンダード・チャータード銀行が先ごろ行った調査で、中小企業のうち38%が「現在1,000万〜5,000万元(約1億4,800万円〜7億4,000万円)の資金不足にある」と回答していたことが分かった。さらに調査対象者の92%が「中小企業はいずれも資金難にある」との認識を示しており、資金調達に苦しむ中小企業の現状を改めて示した調査結果ともいえる
調査は企業521社を対象にアンケート調査の形で行われた。有効回答は436件。企業の運営資金については32%が100万〜500万元、24%が500万〜1,000万元不足していると回答したほか、不足が100万元以下にとどまった企業はわずか5%で、大多数が資金難に直面していることが浮き彫りになった形だ。資金の調達ルート(複数回答)については、372社が「自己調達」、369社が「銀行による貸し付け」と回答。企業の大半がこの2種類に依存していることが見て取れる。新たに資金を調達する場合について、銀行の融資を選択した企業も94%に達した。ただ銀行の融資については225社が担保となる資産がないことを理由に認可を得られなかったほか、154社が人的担保の不在を理由に断られていることも明らかになっており、続いていた金融引き締めによる金融機関の“貸し渋り”に加え、企業自身の信用度の低さも大きく影響していることが分かる。 同銀関係者は各方面からの資金難緩和に向けた支援に加え、企業自身にも信用度や競争力の引き上げに向けた努力が必要であると改めて分析している。低迷がささやかれる景気の刺激にもつながる問題だけに、今後は当局による中小企業支援策に加え、中小企業の内部改革による評価の引き上げが問題改善のカギとなりそうだ。13日付中華工商時報が伝えた。
●マレーシア イスラム金融の仕組み見直し、中銀勧告
マレーシア中央銀行が国内のイスラム銀行各行に対し、現在国内で主流となっている取引の仕組みを見直すよう勧告している。
国内のイスラム式住宅融資で主流の「アルバイ・ビタマン・アジル(Al-Bai' Bithaman Ajil=BBA)」は、銀行が物件を取得して利益を上乗せし、延払契約で利用者に販売する仕組み。高等裁判所は先に、この仕組み自体が「(イスラムの教義に)信義的でない金融取引」に当たるとし、1983年のイスラム金融法(IBA)に反するとの見方を示していた。今回の中銀の勧告はこうした高裁の判決を受けたもので、中銀イスラム金融・保険部門トップ、バカルディン・イサーク氏の署名入り。関係者によると、イスラム式融資、とりわけ未完の不動産に関する取引におけるBBA方式の適用を見直すように求めているという。
国内のイスラム銀行の中には新基準として、共同出資して損益を共に分け合う「ムシャラカ(Musyarakah)」をベースとする「ムシャラカ・ムタナキサ(Mutanaqisah)」の仕組みによる商品を導入する動きも出ている。業界ではサウジアラビアやバーレーン、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイなど、教義により厳格な中東諸国でも受け入れられるムシャラカ方式に移行すべきとの声が出ていた。北米、英国、豪州ではすでに広く採用されているという。
