アジアニュース
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2008年10月 7日 17:53
●シンガポール GICは金融危機に対応できる、専門家
米金融混乱が長期化・深刻化する中、シンガポール政府投資公社(GIC)のトニー・タン副会長は官民両分野での経験が豊富なことから、現在の危機を乗り越えるだけの知見を持ち合わせている――。アナリストの間でこのような見方が出ている。同副会長は7月、「世界経済は過去30年で最悪の景気後退局面に入る」と予測。3カ月後には発言の通り、米証券大手リーマン・ブラザースの経営破たんなど米金融業界が激震に見舞われた。先ごろGICが初の業務報告書を発表した際には、「最悪期はまだ脱していない。投資案件の査定は引き続き慎重に行う」との見解を示していた。現在は「長期的な利回りを確保するため、大幅に値下がりした米国の資産を精査しているところ」という。 6日付ストレーツ・タイムズによると、CIMB・GK証券のエコノミスト、ソン・センウン氏は、「米著名投資家ウォーレン・バフェット氏には及ばないかもしれないが、国内経済の変動を長期にわたり見守ってきたタン副会長は、GICのかじを取るだけの見識を備えている」と分析。金融危機を乗り越えるだけの力があると評価した。タン氏はOCBC銀行のゼネラル・マネジャーを務めていた1978年当時、リー・クアンユー首相(当時)から政界入りを勧められ、79年の選挙で当選。教育相、通産相、財務相などを歴任した。91年に一度閣僚職を辞し、OCBC銀行の会長兼最高経営責任者(CEO)を務めた後、95年に副首相兼国防相として復帰。2005年からGICに席を置いている。
●韓国 外換銀の売却作業、再スタート
英HSBCへの売却が白紙となった外換銀行が、新しい筆頭株主を探すため専門チームを発足させた。現在の筆頭株主である米投資ファンドのローンスターも外換銀の買収を希望する機関と水面下で接触を図っており、売却作業が再び加速化するかに注目が集まる。外換銀のリチャード・ワーカー頭取は2日の行内放送で、戦略的な筆頭株主を見つける作業を支援するため直属の専門チームを発足させたと明らかにした。同行が筆頭株主選びに直接関与することはできないが、最善の方向に進むよう努力していく方針。一方、ローンスターは売却諮問会社を米シティーグループから欧州系の投資銀行(IB)に変更し、国民銀行、ハナ銀行、産業銀行、農協など買収に関心を示す国内銀行と個別に接触を図っている。HSBCとの交渉時同様、随意契約を結ぶものとみられる。ただ、金融業界は世界金融市場の萎縮で資金調達が難しくなっていることや外換銀の株価が下落していることから、最終的な売却までには相当な時間がかかるとみている。聯合ニュースなどが伝えた。
●中国 「華南がぜいたく品の主要市場に」KPMG
大手会計事務所のKPMGはこのほど、中国国内のぜいたく品市場を分析したリポートを発表した。月収が5,000元(約7万7,000円)を超える家庭の数が、深セン(セン)で304万人、広州で158万人に達しており、今後、華南地域が国内最大のぜいたく品の主要市場になっていくと指摘している。
同報告によると、広州や深センなどでは、バッグや衣類などよりも、サービスにお金をかける傾向がみられた。また広州では、ぜいたく品購入の理由として鑑賞やコレクションを挙げる人が30%に達した。同市以外では上海で24%と比較的高かったものの、その他の地域を大きく引き離した。同市ではこのほか、有名人が宣伝していることを購入の理由にあげた人が、他都市に比べて多かった。ただ一方で、認知しているぜいたく品ブランド数は、広州では67.5ブランド、深センでは46.7ブランドにとどまった。全国平均の約60ブランドや北京の70.5ブランド、上海の73.3ブランドと比べると、低い数値となっていることが分かる。またKPMGによると、北京、上海、広州、深センなどの主要都市の富裕層に位置する女性の数は167万人規模で、平均月収は7,000元に達している。うち72.2%は自己で稼いだお金でぜいたく品を購入するとしており、マイカー保有率も53.5%に達している。今後、国内のぜいたく品市場を、こうした裕福な女性がけん引していくことも指摘されている。
●中国 信用取引を解禁へ、株式市場は反応せず
中国証券監督管理委員会(証監会)は5日、投資家が証券会社から資金を借り入れて株式投資する信用取引業務(融資融券業務)を、一部証券会社に近く解禁すると発表した。低迷する株式市場の支援策の一環で、国慶節連休最後の5日に発表することで連休明け初日の相場を押し上げる狙いだったが、6日の上海株式市場はこれに反応せず、逆に連休中の世界的急落に反応し落ち込んだ。
信用取引業務では国内の一部証券会社が、純資産やリスクマネジメントなどの基準を基に試験運用機関として選定される。その運用状況を見てから、対象となる証券会社を拡大していくとしている。現在、中信証券や海通証券などの大規模な証券会社が既に準備を進めているという。信用取引の試験運用では、証券会社の自己資金と保有株式数の範囲に限るとみられる。上海、深セン両証券取引所が近く具体的な銘柄や細則などを発表する予定だ。
ただし、信用取引は少ない元手で膨大な利益を得ることができるため市場参加者を増やせる反面、損失も膨大になる可能性があることから、証監会は証券会社側に十分な準備を求めている。
一方、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は6月に、同じ信用取引である外国為替証拠金取引(FX)を国内で全面的に停止している。急膨張を続けてきた同取引が中国全体の金融システムを脅かすリスク要因に成長したことが背景だったが、今回は信用取引のリスクよりも、低迷する証券市場へのてこ入れを行う意向が優先されたとの見方もある。
■証券市場は5%の大幅安
信用取引の解禁は証券市場の起爆剤として注目されたものの、6日の上海総合指数は連休中の世界的急落を嫌気して2173.74ポイントと再び2200ポイントを割り込み、前営業日終値と比べ5.23%の大幅安で引けた。<全国>
●香港 マカオカジノ収入マイナス、過去3年初めて
マカオのカジノ収入は9月、過去3年近くで初めて前年同月実績を割り込んだ。中国当局が、中国本土客のマカオ訪問ビザ発給を制限している影響がそのまま表面化した格好だ。ポルトガルの通信社ルサの情報として6日付サウスチャイナ・モーニングポストが伝えた。同月のカジノ収入は69億マカオパタカ(約932億円)と前年同月比3.4%減少、前月に比べると28%減の急激な落ち込みを見せた。マカオのカジノ収入は、域内総生産(GDP)のおよそ6割を占めている。マカオ政府高官は先週、今年のGDP成長率が、上半期の26%から通年で10%に急低下するとの見方を示した。本土客のマカオ訪問は、7月からは2カ月に1回と制限された。9月からは香港入境ビザでのマカオ入境を禁止。さらに今月からは3カ月に1回に制限されたとの報道があり、カジノ収入はさらに落ち込んでいきそうだ。一部には「マカオ経済は、中央政府にとってさほど重要視されていない」との声もある。
●インドネシア 株価急落、06年以来の1600台に
6日の株式相場は連休前の9月29日から続落し、総合株価指数(IHSG)は前営業日比183.768ポイント(10.03%)安の1648.739ポイントで終了した。2006年11月8日に記録した1646.066ポイント以来の低い水準となる。
出来高は44億9,439万株、売買高は4兆5,862億ルピアだった。ニュースサイト『デティックコム』は、アジア市場で平均4〜5%下げる全面安の中、インドネシアの下落幅が最も大きかったと指摘。ロシアの11.55%やサウジアラビアの9.7%に匹敵する規模だったとしている。資本市場金融機関監督庁(Bapepam―LK)は、イスラム教の断食明け大祭(イドゥル・フィトリ)期間中に取り引きがなかったため、同期間の下げを休み明けの取引で反映しただけと説明。休み明けに大幅な下落を記録するのは一般的なことと述べている。
■大統領、官民協力で克服を
ユドヨノ大統領は6日、閣僚をはじめ民間の事業者などを招集し緊急会議を開催。官民が共通の理解と意思を持つことで米国発の金融危機の影響をともに克服していこうと呼びかけた。官民が団結して経済に対する強い意思と責任感を持つことで、危機を乗り越え開発を進めることが可能になると鼓舞している。インドネシア経済も影響は免れないものの、1997年のアジア経済危機当時と比較して、経済ファンダメンタルをはじめ政治、社会の状況が「はるかに良好」として、再び当時のような状況に陥ることはないと見通した。また、今回の金融危機を受けて経済成長率の下方修正を行う国が多い中で、インドネシアは従来通り6%を維持すると明言。安全な状況とは言えないものの、「われわれインドネシア民族なら乗り越えることができる」範囲の危機と述べ、目標とする成長をともに達成しようと述べている。緊急会議に参加した各方面からの提言を受けた成果としてはこのほか、▽経済成長率の維持に向けた来年度予算の最適化▽失業者を増やさないために各企業は従来通り操業を継続▽他国との提携による貿易の拡大▽国産品の消費拡大――など計10項目にわたる危機に対する方向性を示している。会議では、インドネシア商工会議所(カディン)のヒダヤット会頭が中央銀行に対して市中銀行の準備預金(GWM)に関する規定を緩和するよう要請している。また、ユスフ副大統領も、インドネシア経済は米経済の影響を受け減速することは免れないものの、「乗り越えられる危機」と述べ、国内経済への確信を明らかにしている。同会議に先立ち5日に行われた調整会議では、スリ経済担当調整相兼財務相が、経済担当閣僚と中銀で米国での金融危機を注視し実業界と金融界向けに適切な対策を講じていくとしていた。一方、中銀のブディオノ総裁は、今回の危機は97年の経済危機とは「別物」との考えを提示。当時は国内の銀行数も非常に多く、融資プロセスでの違反も多くみられた一方で、現在は銀行の統廃合が進み、企業統治(コーポレートガバナンス)も適切に行われていると説明した。
■輸出成長への影響は来年
ビスニス・インドネシアなどが伝えたところでは、マリ商業相は、インドネシアの輸出成長が米国の金融危機の影響を受け始めるのは来年との見方を示し、年内の輸出成長は比較的堅調と見通している。また、輸出全体に占める米国向けの割合が11.6%に過ぎないことから、同国の金融危機による輸出への影響は直接的ではないとし、輸出成長への減速影響は最小限にとどまると予想している。ただ、米国経済に端を発する世界経済の減速による影響を抑制するため、輸入を最小限にとどめて輸出拡大を模索するほか、輸送や港湾、関税、インフラなどを整備し国際競争力を維持する方針を提示。輸出品の製造を行う事業者への優遇措置や、展示会などを通じた促進活動も実施するとした。このほか、輸出減速を補てんするための対策として観光産業の振興と海外への出稼ぎ労働者からの送金による外貨獲得の拡大を目指すとした。 国内企業に対しても、輸入品ではなく国産品を調達するよう呼びかける方針で、必要であれば現地調達の最優先を定めた法規定を行う可能性もあるとしている。
●インドネシア パリクラブでの債務再編を検討、財務省
財務省債務局のラフマット局長は、主要債権国会議パリクラブを通じた政府の対外債務再編の可能性を検討していると明らかにした。コンパスなどが伝えた。償還期限の変更か、金利の減免という再編策があると指摘している。
8月末時点の政府の対外債務残高は610億2,000万米ドルで、うち二国間債務が319億4,000万米ドル、多国間債務が184億9,000万米ドル、輸出金融が105億3,000万米ドル。ラフマット局長は、償還期限のピークは来年から2011年までで、年間の返済額は30兆〜35兆ルピア、平均償還期限は7.31年と説明した。 一方、国家開発企画庁(バペナス)開発資金担当のディナルシャ次官は、パリクラブによる債務再編の条件が、国際通貨基金(IMF)との融資を伴う経済改革プログラムに合意する義務があると指摘。バペナスとしては現時点でその計画はないと述べている。
●インドネシア S&P、マ銀傘下でBIIを格上げ
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は3日、マレーシア商業銀行最大手マラヤン・バンキング(メイバンク)が9月30日に株式55.6%の取得を完了したバンク・インターナショナル・インドネシア(BII)の長期信用格付けを「Bプラス」から「BBマイナス」に引き上げたと発表した。短期信用格付けはBに据え置いた。
S&Pは、メイバンクにとってインドネシア事業がシンガポールに次ぐ海外2番目の規模になると指摘。メイバンクが買収に42億6,000万リンギ(12億4,000万米ドル)を費やし、公開買付(TOB)で出資を増やすことから、メイバンクによるBIIの支援は強固になると指摘している。メイバンクによるBII買収をめぐっては、マレーシア中央銀行が1度承認した買収計画を、インドネシアの資本市場金融機関監督庁(Bapepam―LK)が買収規定を変更したために撤回。その後、監督庁が条件を緩和して再度承認したものの、買収価格が高額すぎるとして引き下げを要求していた。このため、株式を売却するシンガポール政府系投資会社手テマセク・ホールディングスの子会社フラートン・フィナンシャル・ホールディングスと韓国の国民銀行が、7億5,890万リンギを払い戻すことで合意した。メイバンクの購入額は1株当たり433ルピアとなる。ただ、TOBについては当初の計画通り1株当たり510ルピアで取得する。ジャカルタ・ポストなどによると、監督庁のフアド長官はイスラム教の断食明け大祭(イドゥル・フィトリ)後に即時TOBを開始するように要求している。インドネシア証券取引所(BEI)のエリー社長は6日からBII株の取引を再開すると明らかにした。
一方、マレーシア市場では3日のメイバンク株が前営業日比0.30リンギ安の1株6.60リンギとなり、5年来の低水準を付けている。 BIIの高額な買収が完了したのを受け、市場が嫌気し売りが進んだのが要因とされる。
●シンガポール ファンド償還が損害予防、SGXが好判断
シンガポール取引所(SGX)のシエ・フーファ最高経営責任者(CEO)は3日、定時株主総会で、取締役会の好判断で巨額の損失を未然に防ぐことができたと語った。4日付ビジネス・タイムズなどが報じた。取締役報酬の40%引き上げを問題視する発言が株主からあったことに応じたもの。SGXは2004年8月、1億5,000万Sドルをファンドに投資した。業務執行幹部は07年、投資継続の意向を取締役会に伝えたが、取締役会は現金化を主張。幹部はこれに従い、償還で元本より13%少ない1億3,100万Sドルを得た。現金化していなければ多大な損害になったはずだという。シエCEOは「この出来事は強力な取締役をSGXは必要としていることを示した」とし、報酬引き上げが妥当だとした。また、来年9月の任期をもって勇退する意向を表明した。「新たな展望を示せる人が望ましいと考えた結果」だという。
●タイ レバレッジ規制の導入、証取委が検討
タイ証券取引委員会(SEC)のティラチャイ事務局長は3日、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の証券会社、投資銀行に対するレバレッジ規制の導入を検討していることを明らかにした。無理な投資による経営破たんを防止するとともに、ASEAN市場への信頼感を高める狙い。4日付各紙が報じた。来年1月にタイが主催するASEANの資本市場についての会議で提案する考え。具体的には、自己資本に対する負債の割合を示す負債自己資本比率(DEレシオ)に基準を設定する。基準は12倍以下で検討中。レバレッジは、自己資本以上の借入金を使って投資を行う手法で、狙い通りに行けば利益を大幅に増やせるが、失敗すると損失も大きくなる。同事務局長は、米国の金融機関が相次いで破たん、経営危機になったのは、各社が自己資本の数十倍の負債を元に投資していたためと説明。タイの証券各社のDEレシオは2〜8倍であり、おおむね健全という。
●台湾 外貨準備高、3カ月連続で減少
中央銀行は3日、9月末時点の外貨準備高は2,811億3,000万米ドルだったと発表した。前月末比で9億5,700万米ドル減少した。中央銀は外貨による送金が増えたことが減少の主な要因としている。外貨準備高は3カ月連続で減少している。
●存在感増すシンガポール、広東省で投資急増
広東省で、シンガポール企業のプレゼンスが高まっているようだ。シンガポール国際事業庁(IE)によると、昨年までの5年間の累計投資額は17億8,000万米ドル(約274億円)。同省への海外投資で5位に付けており、プロジェクト数は597件に上る。ここにきて、投資先を先端的な産業に移す動きも目立ってきている。同省に進出するシンガポール企業は、運輸・物流からインフラ・サービス、電子・精密エンジニアリング、ライフスタイル・サービス、教育、金融・専門サービスなどまで多岐にわたる。IEによれば、陸運世界2位のコンフォートデルグロ、空港コンサルティングのチャンギ・エアポーツ・インターナショナル(CAI)、不動産最大手キャピタランド、銀行大手のOCBC銀行などが強い存在感を示すという。シンガポールの国民の約75%を占める中華系の多くが華南出身で、広東省に対する知見を備えていることが背景にあるとみられる。同省側が投資誘致に熱心であることも、シンガポール企業が積極的に進出する理由の1つだ。今月にも、同省の汪洋共産党委員会書記が率いる約400人の使節団がシンガポールを訪問した。リー・シェンロン首相やリー・クアンユー顧問相、ゴー・チョクトン上級相らと会談。今後5年間に実施予定の200件を超える新規プロジェクトへの投資を呼びかけている。
■投資に変化も
同省におけるシンガポール企業の存在感が高まっている理由の1つが、投資内容の変化だ。IEで華南地区を担当するロー・チュンミン地域ディレクターは、「労働集約型の製造業から、工業団地開発や金融、物流、インフラといった、より高度な産業に移行しつつある」と語る。仏山市では、陸運のケッペル・ロジスティクスやキャピタランドのプレゼンスが段階的に高まっている。キャピタランドは、2006年から同市で住宅開発用地を相次ぎ取得、中・高所得層向け集合住宅を建設している。直近では、工業不動産を中核資産とする不動産投資信託(REIT)のメイプルツリー・ロジスティクス・トラスト(MLT)も投資計画を打ち出している。同市の南海区で住宅開発プロジェクトを推進することにしている。
●フィリピン GDP成長見通し、政府が4%台に下げ
テベス財務相はじめ政府の経済政策担当者は2日、米国を中心に広がる金融不安がフィリピンの金融市場に与える影響は小さく、公的資金を投じる救済策は必要ないとの見解を示した。ただ米経済減速の懸念はさらに強まるとの見方で、今年の国内総生産(GDP)成長率見通しを4.4〜4.9%に下方修正した。
中銀のエスペニリヤ副総裁は、「欧米を中心に広がっている金融不安は、各国・地域の支払い能力の問題」と述べ、「フィリピンにはそうした懸念はない。われわれは1997年の通貨危機で学んだ」と話した。国内の金融機関は欧米に比べ良好な経営状態を保っており、政府が救済策を講じる必要性はないとみている。また金融危機の主因となる信用収縮を避けるため、中央銀行が金融機関に緊急融資を行う用意があることを明言した。テベス財務相も同様の見解で、米国議会で金融安定化修正法案の審議が行われた(3日に可決)ことから、「フィリピン経済の先行きについて最悪のシナリオを想定していたが、これを中程度に切り替えた」と説明。また、最終的にどのシナリオ展開になっても、社会福祉サービス、インフラ整備への拠出は惜しまず継続する方針を明らかにした。特に物価変動の激しい食糧供給を安定させるため、農業支援には今後も力を入れる方針だ。国家経済開発庁(NEDA)のレクト長官は、「米景気後退懸念は解消できないことから、現実的な路線に切り替える」として、今年のGDP成長率見通しをこれまでの5.5〜6.4%から4.4〜4.9%に引き下げた。政府が年初に掲げていた6.3〜7.0%から大幅な後退だ。来年についても、6.1〜7.1%から4.1〜5.1%に引き下げた。テベス同相は先ごろ、景気が最悪シナリオをたどった場合、今年のGDP成長率は3.8%に大きく鈍化するとの見通しを示した。「現実的な線」では4.7%、最良の場合は5.5%になるとみている。
■今年のインフレ9%か
中銀のテタンコ総裁は、原油価格が下落していることから今年のインフレ率は予想される9〜11%の下限にとどまるとの見通しを示した。当初は、インフレ率は9月か10月に13%前後でピークを迎え、その後は徐々に下降して来年3〜4月に1けたに落ち着くと予測していた。 8月のインフレ率は17年ぶりの高水準である12.5%。国家統計局(NSO)が今月7日に発表する9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、ロイター通信の調査では8月を下回る12.3%と予想されている。中銀の金融委員会は、9日に予定していた定例会合を6日に前倒しする。世界的な金融危機への対応策、インフレ予測、政策金利などを協議する。政策金利は6〜8月に3カ月連続で引き上げられたが、経済専門家の多くは今回は据え置かれる可能性が高いとの見方だ。
