ヘッジファンドの受難

ヘッジファンドの受難

2008年10月 2日 11:00

「絶対収益の追求」「株式との低い相関」。。。

「ヘッジファンド」の特徴としてよく言われる「強み」ですね。

ところが、サブプライムショックに端を発したこの1年。世界的に株価は大幅下落、為替は乱高下、商品市場も史上最高値を更新した後、史上最大の暴落を見せるなど、金融市場は大荒れで、ヘッジファンドの運用も全体としては大苦戦を強いられています。

先日の日経記事によると、9月25日現在の総合指数は昨年末比-9.6%。クレジットクライシスのあった2004年もヘッジファンドにとっては厳しい結果を強いられた年でしたが、当時の9月末年初来のパフォーマンスは-0.6%。今年が如何に厳しい年かが良くわかります。

現在世界のヘッジファンド会社数は推計で約1万社、運用資産合計は1兆9300ドル(約205兆円)といわれております。ざっくり1/3の会社が3年で入れ替わり、5年で半分、10年以上生き残るのはほんの一握りという厳しい世界です。今年の上半期(1−6月)だけでも350のファンドが解散、破綻しており、年間で1,000社としても10%前後のファンドが1年で入れ替わる計算になります。

一言に「ヘッジファンド」といっても、10種類以上もある戦略の違いにより、個々のファンドの特徴は大きく違ってきます。Progressive Capital社のTulip TrendやMANのAHL等に代表される「マネージドフューチャーズ」と呼ばれる戦略のものと、ThamesRiver社のHillside Apexのような債券の「ロングショート」戦略のもの、或いは「ディストレスト」と呼ばれる、不良債権や破綻債権に投資するようなファンドでは、求めるリターンや変動率が全く異なります。「絶対収益追求」が至上命題とはいえ、当然市場環境の影響を受け、パフォーマンスは大きく左右されることになります。そして、運用の巧拙がはっきりと現れ、雲泥の格差を生むことになります。

総合指数の平均が-9.6%ですので、株式市場が軒並み-30%であるのに比べればかなり健闘しているともいえますが、個々のファンドのパフォーマンスの開きはものすごく大きくなります。

たびたびこのHPや通信でも触れている「マネージドフューチャーズ」戦略のものは、この1年で2桁のプラスを出しているファンドも数多くあり、Tulip Trendファンドは年初来20%台を堅持しています。「ウイズプロフィット」型の「Dominion」や「SGI」のファンドも安定的にパフォーマンスを出しています。リーマンショックもものともせず、着実に成果を上げるファンドがある一方で、中には破綻・解散を余儀なくされるファンド、株価の下落以上に負けているファンドも数多く存在するわけです。

今後特に注意しなければならないのは、「レバレッジ」の状況です。運用構造上、

投資家からの資金以外に金融機関や市場から資金を調達することでパフォーマンスの極大化を図っているファンド

は、今後

資金調達コストの急増、或いは調達そのものが困難

になり、

従来想定していないような運用環境下にさらされ、急激な運用成績の悪化につながる可能性があります。

年初来、そして特に9月10月のパフォーマンスが急激に悪化しているファンドは、その要因分析がきわめて重要になります。

-業歴が浅いファンド

-資産金額が短期間で急増したようなファンド

-資本関係が脆弱なファンド

-経営者、運用責任者が「地に足のついていない」ファンド

等は、過去のパフォーマンスが良くても気をつけなければいけません。

月欧にかけて9月の速報が出始めます.注意深く分析していきたいと思います。

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