アジアニュース

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2008年9月22日 10:08

●台湾 日本の免許、台湾で無試験切り替え可能

日本の運転免許保有者が、無試験で台湾の運転免許を取得できる新制度が来月1日からスタートする。日本の免許保有者はこれまでも、中国語の翻訳文を持っていれば台湾で自動車を運転することができた。ただ入境後1年以内といった制限があるため、今回の規制緩和により、長期間台湾に滞在する人の利便性が向上することになる。

交流協会が19日に発表したところによると、台湾免許への切り替えは、1年以上台湾に居留する者が対象となる。事前に身体検査を受け、交流協会が発行する日本免許の中国語翻訳文、居留証などを持参して、台湾各地の運転免許センターで手続きを行う。その際には学科試験や技能試験が免除される。台湾の免許証の有効期限は在留許可の満了日まで。在留延長が認められた時は、運転免許センターに申請すれば、免許の期限も延ばすことが可能だ。運転可能な車種は、日本の免許と同等となる。日本の免許保有者の台湾における運転は、昨年9月から中国語翻訳文を持っていれば認められてきた。ただ同措置はあくまで国際免許の代替措置との位置付けで、入境後1年以内といった制限があった。出張などで頻繁に日本へ帰国する在台邦人にとっては、その都度有効期限が伸びるのでさほど不便はないかもしれないが、「交通違反があった際に、日本の運転免許が没収されるなどの行政処分を受ける可能性もある」(交流協会関係者)ため、利便性はより向上すると言える。

■台湾側のメリット大

今回の拡大措置も前回同様、日台相互で実施される。台湾の免許保有者は、日本の運転免許センターで実技、学科試験免除で日本の免許へ切り替えることが可能になる。台湾の免許保有者も昨年9月から日本語翻訳文を使って日本で運転することはできたが、有効期限の規制がより厳しかったため、今回の措置は台湾免許保有者にとって比較的メリットが大きい。

なお日本人が台湾で免許を取得、帰国後に日本の免許へ切り替えることも可能。ただ台湾での免許取得後、台湾に最低3カ月滞在することが義務付けられている。

■1年間の安全運転を評価

今回の拡大措置は、この1年間の翻訳文での運転実績を見て、日台双方が「交通安全で問題はない」と判断したことにより実現した。日本が海外の運転免許からの無試験切り替えを認めているのは、英国など西欧諸国を中心にオーストラリアや韓国など22カ国のみ。警視庁は、日本に滞在する台湾人は英国人など西欧諸国よりも多いことを考慮し、1年間の「経過期間」を経て規制緩和に踏み切った。台湾側は従来から緩和に積極的だったとみられる。

■制度利用、邦人は3千件

運転に必要な翻訳文の過去1年間における発行数を見ると、日台で大きな開きがある。

交流協会によると、日本の免許の中国語翻訳文発行数は、同会台北事務所が1,230件(9月11日時点)、高雄事務所が476件(9月18日時点)、日本自動車連盟(JAF)が1,101件(7月18日時点)で、日本の免許を利用して台湾で運転した者はこの1年間で約2,800人ということになる。

一方で台湾免許の日本語翻訳は、交流協会が発行したものは1万650件、JAFは542件。これに台湾の運転免許センターの一部で発行されたものが加わるため、制度の利用実績は台湾人が日本人を上回っていたことが見て取れる。

 

●中国ー 大荒れの株式市場、いまだ根強い警戒感も

先週1週間(9月15日〜19日)の大荒れ相場は、中国証券市場の歴史に刻まれると言っても過言ではないだろう。世界を揺るがした米証券大手リーマン・ブラザーズ破綻を背景に上海総合指数がついに2000ポイントを割り込んだ後、政府当局が株価支援策を発表するや今度はストップ高が相次ぎ2000ポイントを急回復してみせた。市場は最悪地合いを懸念する投資家と、相場をなんとしても死守したい当局のせめぎ合いとなっている。株式市場は今後どこに向かうのか。

まず先週の大荒れ相場の経緯を振り返ってみよう。

リーマンが米連邦破産法11条の適用申請を発表し、世界に衝撃が瞬く間に伝わったのは15日の月曜日未明。中国時間では同日午後だったが中秋節で証券市場が休日だったため、翌日の寄り付きを見極めようという雰囲気が強まった。だがその晩、中国人民銀行(中央銀行)は貸出基準金利を0.27ポイント、中小金融機関の預金準備率を1ポイントそれぞれ利下げすると突然発表して市場を二度驚かす。利下げは実に6年半ぶりだった。

翌16日に上海証券市場が開くや、寄り付きから狼狽売りが殺到。後場になると銀行銘柄を中心に一層売り浴びせられ、強力な下値抵抗ラインである2000ポイントを軽々と割り込んでしまった。

証券筋によると、インフレ懸念がありながら突如利下げした背景には、リーマン破綻による国内証券市場への打撃を危惧した当局の強い意思があったという。2000ポイントをなんとしてでも死守する、というものだ。

だが結局、利下げは焼け石に水だった。預金金利の利下げには踏み込まず、銀行業務を圧迫するとの見方から、工商銀や交通銀など銀行銘柄が軒並みストップ安となった。農業銘柄、鉱物銘柄などは上昇したものの、指数に占める割合が1割以上ある銀行銘柄が逆に売りをけん引した形となった。また、利下げで景気が後退していることを政府が認めたと投資家に受け止められる皮肉な結果となってしまった。

■伝家の宝刀を抜く

だが政府も手をこまねいてはいなかった。18日夜には、◇証券取引印紙税を売却時にのみ徴収するよう減免(税率は0.1%に据え置き)◇国有投資会社が大手3行(中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行)の株式買い増し――をそれぞれ発表した。印紙税の減免に手を付けたのは今年2度目だ。その時は、0.3%から0.1%に大きく引き下げている。加えて、直接的PKO(Price Keeping Operation)に踏み込み、先の利下げと合わせて伝家の宝刀3本を抜いてみせた形となったわけだ。

これに市場は急反発。19日の株式市場は9%以上の爆騰をみせ、上海市場は2000ポイントを再び回復した。証券市場では「これらの救済策で、強気相場はしばらく続く」と安堵のため息が相次いだ。

だが、これで安心できる環境が整った、と言うには時期尚早との見方も市場には依然として根強い。

懐疑派の意見は概して、最近の株価支援策は、短期的反発には有効かもしれないが、「100年に1度」と形容される米国の経済危機や、中国の経済構造改革とは無関係で景気高揚にも寄与しない、というものだ。

政府当局はこれまで、「大小非」と呼ばれる非流通株の流通規制に知恵を絞ってきたが、年末にかけてその莫大な規模の大小非の解禁が迫る。来年には1日約250億元(約3,750億円)相当の大小非が市場に流れ出すとさえいわれている。まずこの問題が根本的に解決されなければ、見通しは暗いままだ。

■年初来60%下落

上海総合指数が6124のピークを付けたのは昨年10月15日。そこから既に、3分の1以下に落ち込んでいる。

ただし今年だけでみると、落ち込んでいるのは中国だけではない。年初から9月までの期間、米ダウ工業株30種平均は13%安、ナスダック指数は12.6%安、日経平均は25%、英国FTSEは13%、香港ハンセン指数は25%それぞれ下落、世界同時株安が続いている。だが中国の年初来下落率は、まだ約60%と群を抜いている。

中国の市場に渦巻いているのが、オリンピックを終えて曲がり角に来た経済の不透明さだ。人民元政策は今後どうなるのか、インフレは本当に抑えられるのか、原材料価格の高止まりは今後も続くのではないか、不動産相場は低下し続けるのではないか――といった見通しのきかない不安材料は、投資家の間で払拭されたわけではない。

■PERでは好機

株価収益率(PER)でみると興味深いことが分かる。中国株式市場全体のPERは、9月上旬時点で上海で18.5倍、深Aで17倍と、過去最低水準に落ち込んでいる。日本や米国などの成熟市場と異なり、中国が成長マーケットであることを考慮すると、17〜18倍は本来ならば、投資には格好な水準といえる。

ある外資系エコノミストは「リーマンショックの中国への影響も比較的少なく、市場の材料は国内要因。現在が底だと思うが、政府は年内に減税など再び何らかの間接的な市場救援策を導入するのではないか」と話す。一方、日系証券筋は「救済策はいいが、リーマン破綻がなくても1800ポイントくらいまで落ちていただろう。とにかく市場の地合いが弱すぎる」と話した。

■病こうこうに入る

当局が今回、印紙税の減免に手を付けたのは今年2回目だと先に言及したが、1回目を実施する1カ月ほど前にも当局は減免実施か否かで呻吟した、という経緯がある。

この時、証監会は故事を引用して「市場は病こうこうに入(い)る(手のつけられない不治の病にかかる)段階ではない。求められているのは救済ではなく、安定した政策だ」と表明、実施を一度見送った。だがその直後、上海総合指数は3000ポイントを割り込み、完全に後手に回りながら、結局減免を実施せざるを得なかったということがあった。

そして今回、2000ポイントを下回る局面での再減免である。証監会の理屈をあえて引き継ぐとすると、株式市場の病は既にこうこうに入る状態で、当然強がりを言えるどころではなくなった。

きょう22日からの株式市場で反発が続かなければ、市場の地合いはいよいよ深刻になる可能性がある。

救済策を好感した投資家の市場への信頼を維持するため、当局は近く二の矢、三の矢を放たざるを得ないだろう。

 

●香港  リーマンのミニ債券、銀行・個人は巨額損失

リーマン・ブラザーズ系の香港法人が発行したミニ債券に投資していた金融機関は、巨額の損失計上を迫られるようだ。香港の個人投資家もリスクの高さを適切に説明せずに販売した金融機関に対して、怒りの声を上げ、政府の対応にも不満を示している。 20日付明報などによると、香港上場の中国建設銀行、中国工商銀行、中国銀行、中信銀行、交通銀行、招商銀行の6行はこのミニ債券の保有額が合わせて6億米ドルに上るという。最も多い建設銀は1億9,000万米ドル。一方、新鴻基金融(サンフンカイ・フィナンシャル)や中国銀行(香港)、東亜銀行(BEA)、大新銀行、工銀亜州などが個人投資家に対し、「定期預金より利回りが高く、リスクは低い」などとうたって販売したと個人投資家らは批判。老後の生活資金を投じたり、借金をしてまで投資した人らは「もはや紙くずとなった」とがっくり肩を落としている。政府に対しては「投資家保護に具体的な解決策がない」と現実的な介入を求めている。

リーマン発行のミニ債券の総額は100億HKドル(約13億4,000万円)を超えると推定されている。

 

●タイ 8月の輸出15%増、今後の減速懸念も

商務省が19日発表した貿易統計によると、8月の輸出額は昨年同月比14.9%増の158億7,860万米ドル、輸入額は同26.9%増の166億6,910万米ドルだった。貿易赤字は7億8,159万米ドル。米国の金融不安を受け、今後の輸出伸び悩みを懸念する声が出ている。輸出の伸びは今年2番目の低さ。農産物・加工品が41.1%増えた一方、工業製品・燃料が11.2%増にとどまった。工業製品では自動車や宝石、ゴム製品などの伸び率が2割を超えた。

輸出先別では対日輸出が23.2%増と好調。米国向けは6.3%増だった。

輸入は燃料が44.2%増え、全体の4分の1弱を占めた。原油の輸入量が16.7%増の2,357万バレルだった一方、輸入額が1.5倍の31億4,090万米ドルに増えた。原材料・半製品の輸入も34.9%増と大きく伸びた。金製品が8.6倍に増えたことが要因。

1〜8月は輸出額が昨年同期比24.5%増の1,200億5,750万米ドル、輸入額が同35.4%増の1,229億3,330万米ドル、貿易赤字が28億7,560万米ドルだった。

■電子、家具に陰り

20日付各紙によると、商務省輸出振興局(DEP)のラチェン局長は、電子製品や家具・屋内装飾品の輸出に停滞の兆しがみられるとし、米国の経済減速を理由に挙げた。

欧米やシンガポール向け輸出が今後、減速するとみている。一方、新興市場向けの伸びに期待できることから、全体ではここ数カ月の好調を維持できると見込む。

 

●シンガポール さらに近くなるシンガポール 羽田〜チャンギ路線開放へ、1日4便に

日本の国土交通省とシンガポールの民間航空庁(CAAS)は19日、羽田〜シンガポール間の航空路線を両国の航空会社に開放すると発表した。17〜18日にシンガポールで行われた航空当局関係者の協議で合意した。羽田空港の東南アジアからの国際定期便受け入れは、7月に合意したマレーシアに続き2カ国目。

対象となるのは2010年10月に完成予定の羽田第4滑走路。深夜早朝時間帯(午後10時〜午前7時)に、両国の航空会社が1日2便(計4便)ずつ運航することを認めた。国交省の担当者はNNAの取材に対し、「羽田路線の開放は、お互いの強い希望に応じたもの。開通までに便数が増える可能性もある」とし、「今後も要請のある各国との交渉を進めていく」と話した。国交省はこのほか、シンガポールの航空会社に、▽アジアゲートウェイ構想に基づく首都圏航空関連路線を除く、路線及び便数の自由化▽第2滑走路北伸完成後の成田空港への1便追加▽関西国際空港および中部国際空港から東海岸を含む米国1地点への運航(週7便まで)――を認めた。一方で、日本の航空会社は、シンガポールを経由したインド、中東への操業が可能となる。 CAASによると、今回の合意によりシンガポールから東京への運航数は約2倍になるという。同庁のリム・キムチョーン長官兼最高経営責任者(CEO)は、「両国間の航空サービスを拡張する上でも非常に重要な合意で、より活発な貿易、観光、人材交流を促進する骨組みとなるだろう」と話した

 

●韓国  大型モール新時代、日本企業が続々進出

大規模な複合商業開発が進む中、施工分野ではなく、商業コンサルティングや設計技術など開発分野で韓国市場に参入する日本企業の進出が相次いでいる。日本スタイルの施設運営方式に関心を持つ韓国企業が増えており、今後も不動産分野での日本企業の進出が加速しそうだ。

ソウル竜山駅に隣接する複合ショッピング施設「アイパークモール」。週末にもなると、家族連れでにぎわう。ファッション専門のアイパーク百貨店のほか、従来の電気街や映画館、大型スーパーマーケットのEマートなどと直結している複合商業施設で、2006年8月にオープンした。今年5月からは、店内の主な施設を1時間にわたり案内する「モールツアー」を開始。まだ複合商業施設のショッピングモールに慣れない客が多いことから始めたという。

■2010年に10カ所

国内の流通業界でいま、複合商業施設の建設が相次いでいる。従来のデパートや大型スーパーのみの形態では成長に限界があると判断し、公園などの野外空間や映画館、ホテル、オフィスなどを備え、ショッピングとレジャーを同時に楽しめるワンストップサービスで消費者を引きつける戦略だ。アイパークモールのほか、2010年までに新たに約10カ所のショッピングモールがオープンする予定。

鉄道駅など交通機関や流動人口が多い商圏に建てられるケースが多く、複合商業施設の成功による周辺の街全体の活性化も期待される。

■陰に日本のノウハウ

この中、商業コンサルティングや設計技術など開発分野で韓国市場に参入する日系企業の進出が相次いでいる。 JRグループ系列のジェイ・アドクルー(本社・東京都渋谷区)は6月、ポスコ建設と仁川経済自由区域の青蘿国際業務タウンの開発事業で協力する内容の覚書(MOU)を交わした。森ビル(本社・東京都港区)の関連会社である森ビル都市企画はDキューブ(D3)シティープロジェクト(新道林)開発のコンサルティングを、日建設計(本社・東京都千代田区)は仁川カジョン洞の都市開発の設計をそれぞれ担当している。ジオ・アカマツ(野村不動産グループ、本社・大阪市)は今年6月、ソウル江南区に韓国事務所を開設。1968年の創業以来専業としてきた、商業施設開発コンサルティングのノウハウを生かしたビジネスを韓国で展開している。これまで商業開発コンサルティングとしては、米国やカナダの企業が韓国市場に参入していたが、日本の企業で現地に事務所を構えたのはジオ・アカマツが初めて。ソウル永登浦区に来年8月、ホテルやオフィス棟、百貨店、ショッピングモール、映画館などからなる複合施設「タイムズスクエア」がオープンする。4万4,000平方メートルの敷地に造成され、ソウルの代表的な商業施設であるCOEX(ソウル江南区三成洞)の約2倍に相当する超大型複合商業施設だ。同施設(プロジェクト名・Kプロジェクト)は、繊維・紡績企業で流通事業も展開する京紡が開発を進め、ジオ・アカマツが商業企画、マーチャンダイジング(MD)、商環境デザインやテナント設計の方針など商業施設に関するトータルコンサルティングを担当している。同社が韓国で初めて受注した案件は、2000年の新世界百貨店本店(ソウル中区)の再開発プロジェクト。その後、新世界百貨店関係のプロジェクトを複数手がけ、05年、同社にとって韓国進出への最大のきっかけをもたらしたKプロジェクトを、日本の複数企業を含むヒアリング審査の結果、受注した。海外事業部およびソウル事務所の代表を務める辻川正治・商環境事業本部長は同事業のため何度もソウルを訪れるうち、「今後、韓国の商業施設市場は変わっていく」と確信したと言う。

■分譲から賃貸型へ

Kプロジェクトの最大のコンセプトは「分譲方式ではない、賃貸100%の直接運営方式」。企画、設計に終わらず、テナントリース、オープン後の運営管理まで行うジオ・アカマツの40年来の経験に基づくノウハウを韓国でも実践する。分譲型開発が主流の韓国で、賃貸事業としての不動産開発は、従来の方式とはMDの内容も運営方法も異なるため、韓国企業の理解を得ることは難しい。担当する多くのプロジェクトの中で「これまでに事例がないため、成功するか心配」と懸念する韓国側のクライアントに対し、「新しいことをやっているのだから、事例がないのは当然。どこにもないからこそ、やる意義がある」と話す。上層部の一声で、プロジェクトの方向性が一転したり、突然動き出したりする韓国特有のビジネススタイルに戸惑うこともあるというが、時間がないために質を落としかねない仕事には「当然、NO」と仕事への妥協のない姿勢を貫いている。商業施設としての不動産価値の維持と向上につながるプロパティマネジメントという施設オープン後の業務の概念も、韓国企業にはもちろんノウハウがない。このため、ジオ・アカマツのようなコンサルタントの参入に続いて、同業者と連携したノウハウを持つ日本企業が今後、参入してくる可能性は高い。同社が属する野村不動産グループも今後、韓国市場で事業を積極的に展開することを視野に入れている。

■「街全体を変える」

辻川代表が、商業施設開発の際に意識するのは「街全体がどうあるべきか」――。Kプロジェクトを進める永登浦区も古い街だが、「昔ながらにある在来市場を壊すのではなく、生かしながら古いものの良さと新しさを融合させた街づくりを目指したい」と話す。同代表はソウルの街を歩きながら、立地もよく施設も立派な価値ある不動産物件を見て、「この商業施設はこうリノベーションすれば、素晴らしい施設になるのに」とよく残念に思うそうだ。不動産価値が十分に活かされていない物件が韓国には多くあるという。ジオ・アカマツの本社が位置する大阪・御堂筋で、シャネルやルイ・ヴィトンなどの高級ブランドのブティックが出店したことで街全体が再生したように、商業施設によって街が変わり、人々のライフスタイルが進化していくことを仕掛けたいと話す。韓国の流通業界は転換期を迎えており、流通業界の発展とともにソウルの街並みも進化していくとみている。「09年初秋のタイムズスクエア(Kプロジェクト)のオープンで、新しい事業の成功図式が示されれば、賃貸事業へのシフトはさらに加速するだろう」と熱く語る辻川代表の目には、進化したソウルの街なみがくっきりと映っているように見えた。同社によると、商業施設の開発は確実に、分譲事業から賃貸事業へシフトしつつあるという。Kプロジェクトをはじめとした日本企業の大型プロジェクトへの参入に伴い、今後、不動産開発に関連した日本企業の進出や韓国の不動産開発への投資が拡大していくとみられる。

 

情報提供:バークレイズキャピタル証券株式会社

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