アジアニュース
アジアニュース
2008年9月 3日 09:42
●インドネシア 個人向け国債5弾、発行3兆ルピア割れ
財務省が3日に発行する個人向け国債(ORI)の第5回発行分が、過去最低となる2兆7,149億ルピアにとどまることが明らかになった。最大だった第4回の13兆4,558億ルピアの5分の1で、政府が目標としていた6兆2,250億ルピアの4割となる。
第5回の個人向け国債は、5年物と償還期限が最長となる。利回りは11.45%と2006年8月に発行された第1弾の12.05%は下回るものの、第2回(9.28%、3年物)、第3回(9.40%、4年物)、第4回(9.50%、4年物)の10%以下を上回っている。
第5回は、4日からインドネシア証券取引所(BEI)での取引が開始される。
ビスニス・インドネシアなどによると、財務省債務管理局のラフマット局長は、発行額が低調だった理由を預金金利が11.75〜12.50%に上昇しているためとの見解を示している。また、一般国債の利回りも上昇しており、個人向け国債が指標とした「FR0049シリーズ」の利回りが11.83%に達しているという。
第5回分を購入したのは31州の1万4,000人で、引受幹事に指名されていた金融機関は1社当たり778人に販売した計算という。今年3月に発行された第4回分は、3万7,724人が購入しており、幹事1社当たり2,096人に販売していた。
一方、今回の特徴は500万〜1億ルピアの低額購入者が68.34%に達したことで、前回の54.59%から13.75ポイント上昇している。ラフマット局長は、小口投資家が購入したことは国民の投資行動促進の一環として好結果だったとの見方を提示している。このほかの購入者分類では、医者や公証人など専門職が24.2%、40歳以上が61.73%などとなった。
幹事18社のうち、割当額に達した金融機関は皆無。最大手の国営行バンク・マンディリ、2位行バンク・セントラル・アジア(BCA)、国営証券ダナレクサの3幹事だけが目標の80%以上を販売した。一方、バンク・ダナモン、バンク・メガが目標の10%以下にとどまったという。同局長は、目標を達成できなかった幹事への罰則などは未定と説明。今後は、幹事社への依存度を低減し、財務省が独自の機関を通じて販売することを目指すと述べ、自動化機械の導入で購入時間の短縮などを図ると語った。
●フィリピン 8月インフレ率12.5%、金融12社が予想
ロイター通信が外資系金融機関12社を対象に実施した調査で、各社が8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は平均で12.5%になると予測したことが分かった。国家統計局(NSO)は今月5日に8月のCPI上昇率を発表する。
7月の同12.2%からさらに加速し、17年ぶりの高水準に達するとの見通しだ。調査では、ATRキムエン・セキュリティーズが掲げた11.6%が最も低く、シティグループとHSBCの13.0%が最高値を示した。フィリピン中央銀行は先ごろ、8月のCPI上昇率が11.8〜12.6%になるとの見通しを示したが、エコノミストらはこの上限に近い水準になると予想する。
地場系の金融機関では、リサール商業銀行(RCBC)のマルセロ・エイエス上級副社長が「6〜7月に実施された全国各地の最低賃金や各交通機関の運賃引き上げが、若干の時差を伴って8月の物価上昇率に反映されるはず」との見方を示した上で、CPI上昇率は13.0%に達すると予想する。さらに、最近値上がりしたパンやめん類などの食品価格の上昇も影響するとみている。
また、セキュリティー・バンクの財務担当者ラファエル・アルガラ氏は、「低水準で推移していた前年同期との比較では必然的に高い上昇率になる」と述べ、8月は12.4〜12.8%とみている。昨年通年のCPI上昇率は2.8%で、2.2%を付けた3月を筆頭に4〜10月は2.3〜2.7%と低い水準を維持していた。
中銀の金融委員会は先月28日、3カ月連続となる政策金利の引き上げを決定した。INGバンクのエコノミストは「来年のインフレ率を抑制するのなら、さらに1〜2回の利上げに踏み切るべき」と話している。次回の金融会合は来月9日に開かれる予定。
●韓国 8月の消費者物価5.6%上昇、伸びが鈍化
統計庁の1日の発表によると、8月の消費者物価指数は前年同月比5.6%上昇した。消費者物価指数は今年に入り上昇が続いたが、8月は鈍化した。前月比では0.2%下落。2006年11月(0.5%下落)以降、1年9カ月ぶりの下落となった。食料品など生活必需品156品目からなる生活物価指数は前年同月比6.6%上昇。生鮮食品は3.1%下落した。イシモチ(26.1%上昇)や豚肉(25.8%上昇)、コメ(5.5%上昇)などは上昇したが、ダイコン(25.7%下落)やハクサイ(13.4%下落)は下落した。工業製品は9.7%上昇。特に灯油(54.6%上昇)や軽油(36.7%上昇)、ガソリン(17.2%上昇)など原油類が27.8%上昇した。公共サービス(2.3%上昇)や個人サービス(5.1%上昇)も上昇した。
地域別では、ソウルが4.8%上昇と全国平均(5.6%上昇)より低かった。慶尚北道(6.9%上昇)や江原道(6.7%上昇)、済州島(6.5%上昇)などの上昇率が高かった。
●オーストラリア 7年ぶりの利下げ、政策金利7%に
豪連邦準備銀(RBA)は2日、政策金利を3日から0.25ポイント引き下げて7%にすると発表した。利下げが実施されるのは2001年12月以来ほぼ7年ぶり。市場は政策金利の引き下げを織り込み済みで、「下げ幅が0.5ポイント」との声も上がっていた。大手行4行は、即座に自行の貸出金利に下げ幅を反映させる意向を表明。アナリストの間では、来月の再利下げも確実との見方が広がっている。
RBAは2日に定例委員会を開催し、今後の金融政策を話し合っていた。
地元メディアによると、スチーブンス総裁は声明の中で、厳しい状況が続く金融市場と燃料高、株式市場の不調、住宅価格の低下といった要素が消費者や企業の支出を抑え込むようになったと説明。インフレ率が2010年にRBAのターゲット(2〜3%)に戻る前に5%まで到達するとの見解を維持しつつも、「内外の入手可能な情報から判断し、委員会は金融緩和策に転じることを決断した」という。
また、需要とインフレのバランスを見ていくと述べ、段階的な利下げの実施を示唆。このため地元紙(電子版)は、アナリストらの意見を基にして、「予想外のことが起こらない限り、来月に政策金利が再び0.25ポイント引き下げられるのは確実」と報じている。
ラッド首相は連邦議会での答弁の中で、一般世帯に歓迎される決断だと今回の利下げを評価。「いくばくかの安心をもたらすものだが、生活費の高騰に苦しむ勤労家庭を支援するには、まだ多くの方策が必要」と続けた。
既に利下げ実施の場合に下げ幅を反映させることを示唆していた大手行は、相次いで自行の金利引き下げを発表した。
4大行はいずれも住宅ローンの基準変動金利を0.25ポイント下げて、オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀は8日から9.37%に、コモンウェルス銀(CBA)も8日から9.33%に、ウエストパック銀は4日から9.36%に、ナショナル・オーストラリア銀(NAB)は5日から9.36%にそれぞれ変更する。住宅ローンを抱える人にとっては、1カ月当たり平均で40豪ドル程度の負担軽減となる。
来月の利下げ観測が広まる中、某為替資金課長(オーストラリア)は「次の利下げは10月下旬に発表される消費者物価指数(CPI)の数字を待って、11月となるのが順当」と指摘している。
同氏は、これから発表される小売売上高や雇用統計で弱い数字が続いた場合、「金融業界が金利の利ざやを稼ぎたいと願っていることも考慮され」、来月の利下げもあり得るとコメント。だが、「(本来は)CPIがよほど高くなって据え置きにならない限り、11月に政策金利を6.75%に下げて、年内はこれで打ち止めというのがRBAの意向」と予測した。
為替市場への影響については、「ほかに金利をいじることができるのはユーロぐらい。ほかの通貨との金利差は縮まっていくので、豪ドルはさらに売られやすくなる」と話している。
■7月建設認可、2.3%減
一方、7月の住宅建設認可件数が前月比2.3%減、前年同月比3.7%減の1万2,620件(季節調整値)だったことが、政府統計局(ABS)の2日の発表で分かった。シドニー・モーニング・ヘラルド紙(電子版)が報じた。
エコノミストらは0.5%増と予想していた。6月の数字については、発表時の前月比0.7%減から同2.2%増に改訂されている。
種類別では、一戸建てが前月比3.4%減、前年同月比5.2%減の8,366件と伸び悩んだ。アパートなどの集合住宅は前月比2.3%減、前年同月比3.2%増の3,914件だった。
地域別でみると、タスマニア州(前月比100.6%増の363件)と西オーストラリア州(同7.2%増の1,880件)、ビクトリア州(同2.7%増の3,784件)で増加。落ち込み幅が最も大きかったのは前月比10.7%減の1,082件だった南オーストラリア州で、これにクイーンズランド州(同8.6%減の2,779件)とニューサウスウェールズ州(同3.6%減の2,450件)が続いた。
ウエストパック銀のエバンス主任エコノミストは、「高水準の住宅ローン金利が確実に影響している」と指摘。7月の企業景況感が米国でテロが発生した01年以来最低を記録したほか、6月の住宅融資の承認件数も4年ぶりに低い数字となったことを背景に、同氏は「7月の数字は資金調達が厳しい環境と、住宅市場が軟化していることも包括した結果となった」と分析している。
●タイ 反政府運動で死傷者、非常事態宣言
サマック政権の退陣を求める反政府派と政府支持派の市民団体が2日未明、バンコク都内で衝突し、1人が死亡、約40人が負傷した。首相は都内に非常事態宣言を発令。軍と警察が出動し鎮圧したが、反政府派は首相府占拠や集会を続行、事態収拾のめどは立っていない。都内の学校が臨時休校となるなど、混乱の影響拡大が懸念される。
タイ国営通信(TNA)などによると、衝突は都内ラチャダムヌン通りの路上で午前2時前に発生。反政府派のピープルズ・アライアンス・フォー・デモクラシー(PAD)の集会場所に、敵対するユナイテッド・フロント・オブ・デモクラシー・アゲンスト・ディクテーターシップ(UDD)がデモ行進し、乱闘が起きた。
銃器やゴルフクラブなどで武装したメンバーも多く、死亡したPADの男性(55)は胸を銃で撃たれた。今回の反政府運動で死者が出るのは初めて。負傷者のうち10人以上が入院している。
非常事態宣言で5人以上の集会が禁じられ、UDDは集会を解散したが、PADは反政府集会を続行。PADに同調する公団・国営企業の労働組合は、3日の一斉ストを予告しており、反政府運動の拡大に懸念が強まっている。
首相は「非常事態宣言は短期的なもの。普段通りの市民生活を送れる」と国民に平静を呼び掛ける一方、「首相府を占拠する権利はない」とPADを批判し、退陣要求に屈しない考えを強調した。治安維持の責任者となったアヌポン陸軍司令官は、PADの排除に武力を行使しない方針を示した。
■臨時休校、日本人学校も
在タイ日本大使館は2日、在留邦人・旅行者に対し、政府機関やデモ集会に近づかないよう注意を呼び掛けた。集会の現場周辺以外では市民生活に大きな影響は出ていないが、バンコク都庁(BMA)は同日から都内の436校を3日間の休校とした。
泰日協会学校(バンコク日本人学校、児童・生徒数2,522人)も、小学部、中学部とも午前で授業を打ち切り、4日まで臨時休校とした。臨時休校は2006年9月のクーデター以来という。
提供:バークレーズキャピタル証券株式会社
