アジアニュース

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2008年8月15日 10:33

●マレーシア ー インフレは緩和へ、中銀が政策効果訴え

マレーシア中央銀行のゼティ総裁は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が20数年来の高水準を記録するなど、インフレ圧力が続く現在の状況は、来年下半期には緩和するとの見通しを示した。その理由として、経済成長の減速を挙げている。地元各紙によると、同総裁はその上で、政策金利の据え置きを決めた中銀の決定が、失業者の増加といった、基礎的な経済の停滞を防ぐ効果があると指摘し、正当性を主張している。 6月のインフレ率が石油燃料価格の値上げにより、5月の3.5%から一気に7.7%にまで達したことが判明した先月、中銀は政策決定会合で、市場の予想に反し、政策金利3.5%の据え置きを決めた。この決定に関し、国内外のエコノミストやアナリストからは、中銀の金融統制機関としての能力を疑問視する声も上がっている。エコノミストらは、7月のインフレ率が電力料金値上げなどの影響から、6月をさらに上回る8.0%に達するとみている。 一方でゼティ総裁は、為替市場への中銀介入について、「市場を正常な状態に維持するために行われる」とコメントした。一部のメディアは、中銀が5月と6月にリンギを下支えする目的で、外貨準備から38億米ドル(約125億リンギ)を市場に投じたと報じている。

 

●タイ ー国営石油PTT、「E85」を29日発売

国営石油PTTは13日、ガソリンにエタノールを85%混合した代替燃料「E85」を29日に発売すると発表した。国内販売は同社が初となる。サマック首相は14日、E85対応車の減税の実施を急ぎ、普及を支援する考えを表明した。同社は「PTTガソホールE85プラス」を当初、バンコク東部バンナー・トラート高速道路のバンナー出口にある給油所1カ所で発売する。年内に首都圏の15カ所に拡大する。エネルギー省と協議し、販売価格を近く発表する予定。ガソリンに比べ、3割程度安い価格に設定すると予想されている。同社は中部アユタヤ県の研究開発(R&D)センターで、スウェーデンのボルボ製のE85対応車「S40」を使い、品質などの試験を行っていた。

昨日の現地新聞各紙のサイトを読むと、S40は国内で販売されている唯一のE85対応車。BMW、フォードなど、欧米メーカーが積極的に投入を検討しており、プンピロム・エネルギー相は13日、「自動車メーカーが数カ月以内に200〜300台を供給するだろう」と述べた。PTTのほか、製油・給油所運営のバンチャーク石油(BCP)も10月にE85を発売する予定。給油所1カ所当たり200万バーツ以上の投資が必要なことから、アヌソン社長は「輸入車の発売が相次ぐまで待ちたい」と話している。

 

■対応車の減税急ぐ

サマック首相は14日、「対応車の減税を近く実施する」と普及促進に力を入れる考えを表明した。「物品税と輸入関税の減税について、詳細を財務省が検討している」と述べた。

政府は6月の閣議で、E85と対応車の物品税の引き下げ、国内生産を促すための専用部品の関税引き下げを承認した。これに対し、欧米メーカーからは税制優遇策が不十分との声が出ている。

政府は原油高の影響緩和などを目的にエタノール燃料の普及を促進。今年1月に混合率20%の「E20」対応車の税率を引き下げた。さらに、原油輸入額の急増を受け、E85の導入を急きょ決定、年内の導入を予定していた。

 

●香港の人口ご存知ですか?

 

政府統計局が14日発表した人口統計(速報値)によると、香港の2008年年央の総人口は698万5,200人で、昨年同期比5万9,300人、率にして0.9%増加した。

このうち、「常住居民」は676万8,800人、「流動居民」は21万6,400人。常住居民は「統計時点の前6カ月または後6カ月以内の香港滞在期間が3カ月以上になる永久居民」および「統計時点に香港に滞在していた非永久性香港居民」を指し、流動居民は「統計時点の前6カ月または後6カ月以内の香港滞在期間が1カ月以上3カ月未満の永久居民」を指す。

期間中の人口増加の内訳は、出生数(7万5,200人)から死亡数(4万1,100人)を引いた自然増加が3万4,100人。

 

●中国 −表面化する五輪リスク、水・電力・交通規制で

 

■輸送力半減

メーン会場の北京市では、7月1日から交通規制がスタート。市外から乗り入れる貨物車両などは、夜間を除き市内での通行が禁止されているほか、排ガス基準をクリアしていない車両の通行も禁止された。これを受け、すでに物流や小売りメーカーなど、トラックによる輸送を核としたする企業には影響が出始めている。

投入できるトラックの台数が大きく減る一方で、排ガス基準をクリアした車両の外注などでコストは増加。また輸送できる貨物の絶対量も減少するため、ある日系メーカー関係者は「規制適用期間時の1カ月当たりの売り上げは半減する見込み」とも述べる。また今月20日からは、車両ナンバーを偶数と奇数に分け、それぞれ偶数日、奇数日のみの運転を許可する規制もスタート、状況は厳しさを増している。日系企業の間では規制開始を前に、前倒しでの作業を進めてきたところが多い。物流では、顧客に対し早めの貨物輸送を養成する通達を出したほか、他地域での輸送業務を増やすなどして対応。小売りでも、貨物を北京ナンバーの車両に積み替えての輸送のほか、輸送回数を減らすなどして対応している。このほか小型の商品については小型車両を利用し、小分けにして輸送するなど、今のところは規制開始後も大きな混乱は出ていない。ただ衣類や食品など季節ものを扱うメーカーの、秋冬物の輸送が始まるのは8月頃。今後の対応も含め、まだ気を抜けないのが現状のようだ。

 

■華北に電力を

毎年のように供給制限が行われる電力不足は、夏季の大きな問題の一つ。ピーク時には沿海部都市の工場を中心に電力制限が敷かれるほか、価格調整も行われる。ただ今年はさらに、五輪会場での電力確保に加え、世界的な石炭などエネルギー価格の上昇もあり、規制はさらに厳しくなることが予想される。日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、北京に近く、サッカー競技開催都市でもある瀋陽を抱える遼寧省は今夏、競技会場への送電確保に加え、不足が目立つ華北向けの送電も増やす方針としている。ただ石炭や発電能力の不足に加え、吉林省や黒竜江省からの電力調達も切迫している状況のため、遼寧省内では日系企業が集まる大連などで、平年に比べてより厳しい電力制限が敷かれることが予測される。さらに電力制限の通知が直前に出されるなど、通達の遅れも指摘されており、例年以上に企業活動に影響が出ることは確実だ。またサッカー会場を抱える上海では、給水制限の実施も正式に発表されている。上海市水務局は今夏、一般家庭のほかサッカー会場への給水を優先するため、工場やレジャー施設を中心に、給水制限を行う方針も明らかにしている。上海市郊外の日系工場によると、今のところ給水制限に関する通知は出ておらず、電力についても内容については平年通り。ただ方針が示されている以上、今後急な制限が行われる可能性もあり、競技が終わるまでは当局の動向を追っていく必要があるといえる。各種規制の実施は以前から予測されていたこととはいえ、突然の規制発表や、通行許可証の発行の遅れなど、実施方法に不備があるとする見方もある。一部企業には「五輪期間中は、ほとんど経済活動ができない」と半ばあきらめに近い声を上げるところもあり、各方面への影響が大きいことは疑いない。4年に一度の華やかな祭典に沸く裏で、企業がリスクを背負っているのも現実といえそうだ。

 

提供:バークレーズキャピタル証券株式会社

 

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