ドルの里帰り

ドルの里帰り

2008年8月 7日 19:03

ドルの株離れが一層明確になってきました。そしてこの動きは、今後次のステージへの引き金となり、中期的なドル全面高につながる可能性も出てきました。

サブプライム問題表面化から1年が経過。その影響は世界中に飛び火し、株式市場の時価総額は10兆ドルも減!金融機関の損失も1兆ドルまで膨らむとの試算もあります。

日本のバブル崩壊後、失われた15年間のバブル処理コストは約200兆円(2兆ドル)にも及んだと言われています。不動産価格の下落、株価はピークから約4分の1まで売られたわけですが、実はこの間、「円の独歩高」という不思議な現象が起こったのです!都市銀行や生保など、痛手を負った日本の大手金融機関は、一斉に海外での資産、事業を売却。一気に日本国内にお金を引揚げたわけです。1990年代半ばに1ドル78円を付けた円高は、正にそういう状況下で起こりました。そして、通貨は強くなったけれど、国際社会での日本の地位は沈下していき、遂に一人当たりGDPでシンガポールに抜かれ、アジアの雄の地位を明渡すことになってしまったわけです。

今の米国でも同じ事が起きており、またこれから本格化していくと思います。シティーグループをはじめとする、米国大手金融機関の国際的規模での事業縮小。鮭が大海から故郷の川を目指して命がけで戻っていくように、今後世界中に貸し出されていたドルが、一気に米国国内に還流していきます。

ドルの崩壊シナリオで、長年にわたって蓄積されたドル売りポジションが、今後一旦解消に向かい、予想外のドル高を引き起こすかもしれません。

ここ数ヶ月で行われた一連のG7、サミットで、ポールソン米財務長官をはじめとする執拗なドルサポート発言の裏には、ドルの堅調を演出することで、石油などに向かっている投機資金にブレーキをかけ、世界的なインフレ懸念を沈静化させるという基本戦略に対し、各国当局者の利害が一致した、という背景が有るように思います。つまり、ドルが強くなることに異を唱える人はいない!!ということです。

巷ではお盆休みがそろそろ始まる頃。気がつけば7ヶ月ぶりに1ドル110円目前までドルが戻ってきました。ドルの里帰りは、まだまだこれからかもしれません。。。

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